20230317国土交通委員会【確定稿】

国土交通委員会 令和五年三月十七日(金曜日)


○嘉田由紀子君 ありがとうございます。国民民主党・新緑風会の嘉田由紀子でございます。
 質問の時間確保いただき、感謝申し上げます。
 私は、地域公共交通のマクロな面、またミクロな面、両方から質問をさせていただきます。
 まず、少し振り返りまして、三月二日の予算委員会で、国民民主党・新緑風会の舟山康江議員が地域公共交通を取り巻く厳しい現状についてお伺いをし、岸田総理は、地域の関係者が連携、協働し、地域公共交通のリデザインを進め、地域の連携を国としてもしっかり後押ししていくと約束くださいました。
 資料一として、京大名誉教授の中川氏が作られた資料、それを基に舟山議員がEUと日本の比較を出していただきました。大変分かりやすいものになっております。それから、資料二には、道路整備予算と比較して、いかに地域公共交通予算が軽視されてきたかということも示しております。
 日本が目先の採算性を強調して民間、地方に任せ過ぎて、地方の公共交通はある意味で負のスパイラルに陥っているということを総括的に分析をしておられます。そして、EUでは、交通を取り巻く環境、福祉、教育など、社会全体の公益の最大化を目指して全体のネットワーク計画を作り、利用者増を目指して成果を上げております。
 そのとき斉藤鉄夫大臣は、新しい国土形成計画には、地域のローカル鉄道の維持など、地域公共交通と、その団体と事業者、国が協議会の場をつくり、リデザインの場を設けてまいりますと、そのときに、これまでの国による財政支援についてはある意味で反省がございますと、反省というお言葉をお使いいただきまして、地方としては大変心強く思っております。少しここから財政支援が強化されるのではないかと期待をしております。
 具体的には、また資料三、スイスと日本の公共交通分担率のグラフ、これも私たちの実感に大変合うものでございます。                                                     20230317【資料1-3】国土交通委員会(嘉田)舟山先生作成   

どうしても人口が減ると公共交通がなくなるということなんですけど、このスイスの場合には、かなり小さな人口の小さな町でも公共交通の分担率が高いということ。これは、具体的にデータとして京大の中川先生が分析をしていただいております。
 そういうところで、資料四、これは、アフターコロナ時代に向けて地域交通の共創、共に創り上げていく、共創に関する研究データからの図ですけれども、まさに幹と枝とそして葉の交通まで樹木が生きているように公共交通が生きているというイメージで、私はこれ大変分かりやすいなと思っております。このイメージの下に是非とも葉の部分を積み上げていくということ、今後国の方からもお力をいただきたいと思います。                 20230317【資料4】国土交通委員会(嘉田由紀子)
 その方針を立てる上で二つの質問させていただきます。
 一つは、GX事業から見た鉄道事業の比較優位性ですね、同じ旅客を運ぶのに鉄道交通とバス交通ではCO2排出量にどのような違いがあるでしょうか。概算で結構です。国土交通省さん、お願いいたします。
○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 輸送量当たり、これは一人の旅客を一キロメートル運ぶ際ということでございますが、この輸送量当たりの二酸化炭素の平均的な排出量の値を示すCO2排出原単位は、二〇一九年度のデータにおきまして、鉄道を一とした場合、バスはその三・四倍となっております。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 一対三・四倍ということは、鉄道を増やすことによって同じ旅客を確保するのに大変効果があるということです。
 同じように、今人口減少、二〇二四年働き方改革の中でトラックドライバーの不足が問題になっておりますが、この点について、同じ物量を例えば五百トンこなすのに、鉄道輸送とトラック輸送ではドライバーの数はどれくらい変わりますでしょうか。比較できる数値ありましたらお願いいたします。
○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 貨物鉄道輸送は、貨物列車一編成で最大で営業用十トントラック六十五台分、すなわち六百五十トンの貨物を輸送することが可能であり、トラックドライバー不足に対応する観点からも、大量輸送機関として重要な役割を果たすべきものと考えております。
 委員からお尋ねのありました五百トンの物量を輸送する場合には、鉄道輸送であれば運転士一人、トラック輸送であれば十トントラック五十台分のドライバー五十人が必要になろうかと考えております。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 ドライバー五十人分をお一人で運転手が確保できる、この数値は大変重要だと思います。今、農産物でもトラック輸送が足らなくてということで実際に問題が起きておりますので、CO2の数値と併せてこのドライバー不足に対しても鉄道の価値は大変大きいと思います。
 そういうところで、国土交通大臣にお伺いしたいんですが、資料五には、今、全国各地で地域公共交通再構築に向けた新しい動きが出ております。地域公共交通活性化再生法、今回お出しいただいておりますけれども、この強化に向けて、国土交通大臣の御決意をお願いいたします。

20230317【資料5】国土交通委員会(全国図)
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 委員御指摘のとおり、全国各地のローカル鉄道の現場におきまして、鉄道事業者と沿線自治体が連携、協働し、地域のまちづくりや観光振興の取組と併せて、鉄道の維持、高度化のための取組が様々な形で進みつつあることは大いに歓迎したいと思っております。
 例えば、平成二十三年七月の豪雨により被災した只見線は全国有数の風光明媚な路線ですが、福島県を始め地元自治体では、今後の地域振興において鉄道の存在が不可欠との認識の下、被災区間を公有民営方式を導入しつつ復旧させるとともに、JR東日本及び地域の観光協会等と協力して新たな観光需要を創出すべく、様々な取組を行い成果を上げております。
 こうした官民連携を促進していくため、今般の改正法案において新たに国が再構築協議会を設置することができることとしたほか、予算面におきましても、再構築に取り組む自治体を支援するための社会資本整備総合交付金の活用など、従来にはない支援の仕組みを整えました。
 国土交通省としては、本年を地域公共交通再構築元年と位置付けまして、一つでも多くのローカル鉄道において再構築の取組が進み、人口減少の中でも地域に安心と未来への展望を提供できるよう全力で取り組んでまいりたいと思っております。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 地域交通再構築元年と宣言をいただきました。地域交通担う自治体の皆さん、大変心強いと思います。
 では、具体的に滋賀県の例を二つ紹介させていただきたいと思います。
 一つは、資料六にありますが、信楽高原鉄道というところです。信楽焼、あのタヌキの信楽焼で有名です、観光地でもありますが、実はここはかなり多重な苦悩を抱えた鉄道でもございます。具体的には、一九九一年にJRと正面衝突の列車事故で四十二名もの方が亡くなられました。毎年五月十四日には追悼慰霊祭をさせていただいております。
 そして、私は知事になった二〇〇六年ですけど、その当時、十億円を超える補償の費用が赤字で蓄積されておりました。そういうところで、過疎化による人口減少の問題もあり、県と市で被災補償金の債権放棄を含む特定調停をさせていただきまして、同時に、鉄道は公有民営、上下分離を実現いたしました。全国で二例目の上下分離だったと記憶をしております。そのとき、国から鉄道事業再構築実施計画の支援をいただきました。
 同時に、自治体としては、実は県立の信楽高校の再編、縮小の計画があったんですが、せっかくだから信楽焼のデザイン科を新しくつくって県外から高校生を呼ぼうということで、教育、地域活性化、そして鉄道のコストというセットの決断を知事としてさせていただき、地元の甲賀市と協力をしながら、結果的には、その後、朝ドラの「スカーレット」の誘致などもございまして、資料六にありますように、かなり黒字化を達成したんですが、コロナの影響です。
 それで、令和二年以降は赤字に転落をし、そして、今、この鉄道事業再構築実施計画も今年度この三月三十一日をもって終わってしまうんですが、こういう段階で、今後更に国からの継続支援をいただくための条件など、どういうところになっているか、国交省さんの、鉄道局さんの御意見をお願いいたします。
○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 国土交通省では、信楽高原鉄道を始めといたします地域鉄道事業者を対象に、安全性の向上に必要な施設設備の更新等に対して支援を行っております。特に、鉄道事業再構築事業の実施期間中におきましては、予算の優先配分等重点的な支援を行ってきております。同社につきましては、令和四年度末で再構築事業の実施期間は終了いたしますが、引き続き必要な支援は行ってまいります。
 さらに、国土交通省では、こうしたこれまでの支援に加えまして、今般の改正法案による改正後の再構築事業の認定を新たに受けた場合には、事業者と連携、協働しながら、鉄道インフラ整備に取り組む沿線自治体に対しまして社会資本整備総合交付金による支援を新たに行う予定にしているところでございます。
 信楽高原鉄道は、これまで鉄道事業再構築事業として様々な取組に努力されてきておりますので、これから県あるいは鉄道会社とよく相談してまいりたいと考えております。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。これまで以上に、まさに地域鉄道再構築元年らしく投資をしていただけるということ、今日、この質問を滋賀県の方はみんな必死に見せていただいておりますので、大変有り難く思います。
 二つ目の例は、近江鉄道です。実は、近江鉄道は百二十五年もの歴史があります。明治時代、近江商人たちが自分たちで多賀大社と伊勢神宮を結ぶ御代参街道沿いに造った鉄道でございます。長い間地域住民の足となってきましたが、近年の経営難の中で、沿線の十市町と県が一緒になって議論をしてマスタープランを作りました。近江鉄道沿線地域公共交通計画です。
 資料七に出させていただいておりますが、ちょうど令和五年、六年の計画を、内実を作っていく予定です。ここも上下分離にいたしまして、市町が第三種鉄道事業者となり保有管理、そして近江鉄道株式会社は第二種鉄道事業者として具体的な運営を行うという方向でございます。ただ、一般社団法人という経営形態は、かなり様々な困難がございます。地方自治体とは異なり、事業資産の取得、保有、免許登録税、不動産取得税、固定資産税、都市計画税、様々ございます。
 そこで、国土交通省さんに伺いたいんですが、この鉄道事業再構築、持続可能な鉄道として再生を図るため、地元は本当に努力をしておりますが、国として、この上下分離の中で第三種鉄道事業者となった場合、輸送の安全の確保、鉄道施設の保有、管理に不安が伴いますが、ここに人的あるいは物的支援など必要です。国土交通省さんの見解をお願いいたします。20230317【資料6-7】国土交通委員会(信楽高原、近江鉄道)
○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 近江鉄道につきましては、滋賀県ほか沿線自治体との間で令和六年度から公有民営方式による上下分離を行うことで合意しており、現在、今般の法改正による改正後の鉄道事業再構築計画の認定を申請する方向で準備を進めておられると承知をいたしております。
 国土交通省では、この認定を受けた場合には、委員御指摘の安全の確保や施設の管理ということに関しましては、安全性の向上に必要な施設設備の更新等に対する支援、またこれに加えまして、沿線自治体に対しまして、先ほど申し上げました社会資本整備総合交付金による支援も行うことといたしております。
 他方、近江鉄道及び沿線自治体からは、委員御指摘のとおり、上下分離に伴い発生する様々な課題につきまして相談をいただいておるところでございます。ローカル鉄道の再構築を一層円滑に進める観点から、どのような課題があるのか、引き続き事業者あるいは自治体の皆さんの声を丁寧に聞いて、必要な対応策について検討してまいりたいと考えております。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。大変心強い御答弁いただきまして、ここも地元の市、町、そして、実は近江鉄道は観光的には余り今までは注目されていないんですが、高校生、あるいは通勤、そして高齢者にとってはなくてはならない足でございますので、地元もそれゆえ百二十五年の伝統の火を消さないということで議論を積み重ねております。
 国土交通大臣、全体としては応援をいただいているんですが、地元に対して一言、まとめの応援、お願いできるでしょうか。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 地域公共交通が置かれている状況につきましては、委員の皆様方、共通認識だと思います。
 しかし、地域公共交通はなくすわけにはいきません。地域の活性化、再生のためにも地域公共交通しっかり確保していかなければならない。そのためには、今までどちらかというと事業者任せでありましたけれども、地方公共団体、地域、そして国も一緒になって現状を認識し、どのようにしたら地域公共交通を守っていくことができるのか、そして活性化に結び付いていくのか、そのスタートを切らなくてはならないと思います。
 そのための今回の法案提出でございます。しっかりとこの地域公共交通の再生に向けて、国土交通省、先頭を切って頑張っていきたいと思っております。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 これは答弁は要らないんですが、紹介をさせていただきます。
 資料八に、地域交通維持のために滋賀県の三日月知事が全国で初めての自治体としての交通税を提案をしております。三日月知事は、去年の七月に三期目の知事選挙に臨むに当たってマニフェストに交通税を入れました。実は、選挙の中で負担を増やすということは大変決意の要ることですが、彼自身はJR西日本出身で、自ら運転手をしていたということを、多分運転手の知事は僕一人ですと言っておられるように、交通に対しては大変力を入れていただいておりますので、今日は特に御質問申し上げません国土交が、総務省さんなり様々、地方税についての相談も今後させていただけたらと思います。                  20230317【資料8】国土交通委員会(令和4年10月20日中日新聞朝刊7面)
 あわせて、先ほど只見線の御紹介がありました。私は河川政策が専門で、災害の後、現場を見に行くんですけど、風光明媚なところほど鉄道やられてしまうんですね。ですから、くま川鉄道もそうですし、只見線もそうですけど、災害復旧、また山形の米坂線とか風光明媚なところの鉄道を、先ほど山本委員も言っていらっしゃいました、観光、これからの日本の観光のかなり目玉としても、鉄道再生を何としてもお願いしたいと思います。
 この件につきましては、また次回質問させていただきます。
 本日はどうもありがとうございました。

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