1月20日 201回通常国会始まる。

1月20日、201回通常国会始まる。安倍総理大臣の施政方針演説には、巧妙に人びとの共感を得る「個人名の仕掛け」が埋め込まれているようです。与野党の評価は真っ向対立(朝日新聞、読売新聞 参照)。6月17日までの150日間の長丁場、新鮮な立場で発信させていただきます。

午後1時、天皇陛下の開会のお言葉から始まる。衆議院に次いで、午後3時40分から総理大臣にプラスして茂木外務大臣、麻生財務大臣、西村特命大臣、4名の演説。施政方針という性格からして、抽象的な官僚作文になりがちですが、総理演説には聞き手からの共感を引き出そうとする「ある仕掛け」が埋め込まれています。政策の内容分析に先駆けてひとことコメントを。

それは個人名の活用です。日本人としての「共有する成功ものがたり」を思い起こさせる場面をあちこちにちりばめています。演説はじまりは、東京オリンピック最終聖火ランナーの「坂井義則さん」。坂井さんが走るその場面は高齢者だけでなく若い人たちにも象徴的な映像となっています。「成長戦略」の項目も、まず「東洋の魔女」が使ったバレーボールを生み出した広島の小さな町工場を紹介。

「地方創生」では、東京から一番遠い町といわれる島根県江津市の原田真宣(まさのり)さん、東京から移住しパクチー栽培を始めた若者です。「成長戦略」では吉野彰ノーベル章受賞者。「復興五輪」では、釜石のラグビーチーム一員のファーディさん。「1億総活躍社会」では1964年の東京パラリンピック開催に情熱を注いだ「中村裕(ゆたか)医師」。

また「浪江町」「双葉町」「大熊町」「富岡町」「陸前高田市」などの個別地名や、「神戸牛」「ルビーロマン」「ゆめぴりか」という個別農産物ブランド名。行政作文では、「なぜこの個人なのか?」「なぜこの名前だけ取り上げるのか?」と、例えば私自身、知事時代の議会演説では、個人名をいれると「公平性」「平等性」「客観性」を担保できないと各部局から問われ、個人名は削除されていました。

それでも踏ん張って最終知事判断で個人名や個別地名を入れたことはありますが、最近の首相演説のライターはそのあたり、かなりうまく埋め込んで、親しみやすさ、わかりやすさをいれて、総理のイメージアップを図っていると言えるでしょう。今後、各時代、各総理の施政方針演説の時代的変化など、研究・分析してみたいです。

一方で、まさに総理自身の個人的利益が巧妙に埋め込まれている「政治の私物化」の典型といえる「桜を見る会」や国会議員のモラル破壊の「IR疑惑」など、倫理的な責任問題には一切触れられていません。「桜の『さ』の字もカジノの『か』の字もない」。個を重視するなら、まずは総理自身の「個」的ふりかえりが欲しいですね。冒頭にせめてひとことお詫びが欲しかったです。これから予算委員会などで追及されるでしょうが、またまた委員会からも逃げ出すのでしょうか?

最後に、これだけ地球規模で問題となっている温暖化対策は全く抽象的レベルにとどまっています。「グレタさん」の個人名まで入れてくれたら、多くの国民への説得力は増したでしょうね。

 

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