「心ひとつに大合唱!」、琵琶湖周航の歌100周年記念事業の締めくくりの「びわ湖音楽祭」、フィナーレでは加藤登紀子さんのリードの元、びわ湖ホール・大ホール1800名が総立ちとなって会場全体での大合唱に!。一番から六番まで、歌詞は演壇のバックに、直前のなぞり周航の6つの場所にあわせて投影しました。6月30日。(また長い長いです:微笑)
29日前日から、パンフレットの袋詰めや会場準備など、小坂育子さんの総指揮の元すすめました。北川陽子さん、小松明美さん、八木良人さん、柳原勉さん、村田三千雄さん、ひまわり合唱団、未来政治塾の塾生さんに加えて、村田良先生が高校生たちを応援に送りこんでくれました。大変大きなスケットでした。
前日29日の午後は立命館守山中・高校の吹奏楽、大阪成蹊学園、大津児童合唱団、滋賀県高等学校軽音楽部のリハーサル。全体について登紀子さんが直接に指導。「生きているびわ湖」の大津児童合唱団や、草津東高校の山元一志くん、大津清陵高校の宮元香奈さんたちに、「言葉が会場に聴こえるように、大きな声ではっきりと思いをこめて!」と。
30日本番、朝から「当日チケットはないか」「失ったチケットがでてきたので、仮チケットの発行は不要です」などなど事務局電話は鳴りっぱなし。小坂さんはこの電話を3月以降ずっと受け続けてくれたのです。改めて大きな感謝。その間に出はいりする登紀子バンド、ゴスペラーズさん、宮沢さんなどのお出迎え。今回の出演準備で最も配慮をしたのは小中学生・高校生等、第一部の子どもたち。リハーサルから本番まで、平日の子どもたちの出演をご理解いただいたご家族、学校の指導者の皆さんに感謝いたします。
4時過ぎからぽつぽつお客さまが集まり始める。5時開場、5時20分からびわ湖放送「あみんちゅプロジェクト」による県内各地のグループ周航歌を紹介。5時30分からは、直前の6月24日~27日の「なぞり周航」の映像を投影。編集、ナレーション付きの記録番組に仕上げてくれました。びわ湖放送の東社長はじめ徹夜で頑張ってくれた担当の皆さんに感謝。京大の山極壽一総長も5時すぎに自席に着席、記録映像もすべてご覧下さいました。
6時開演。中谷満企画委員会代表の指揮、立命館中高吹奏楽のオープニングファンファーレ。周航の歌のメロディーを入れ込み印象的。続いて、県議会開会中にもかかわらず調整していただき、三日月大造滋賀県知事があいさつに駆け付けて下さる。大きな美声で「我はうみーの子♪」と歌いだし、「琵琶湖新時代」という政策のもと、琵琶湖とともに生きる県民としての政策実現への思いを語っていただく。
ついで、マーチ・シャイニング・ロードは曽根威志先生指揮。大津児童合唱団の「生きているびわ湖」は、2001年の世界湖沼会議の「里がえり会議」の折、私たちが登紀子さんにお願いして作詞・作曲してもらった曲です。立命館吹奏楽の伴奏で大変厚みが出ました。
次は、びわ湖水を命の水源として利用している大阪地域を代表して、大阪成蹊学園コーラス部の女子学生による「湖国から愛をあなたに」、指揮は大阪府合唱連盟会長の清原浩斗さん。水の流れを水色や白の薄い布で表現し、ピンクのTシャツと見事にマッチして、視覚的にも大変美しい舞台を演出して下さいました。
そこで突然会場横の客席ドアからLefaの二人が登場! デビュー曲の「君の笑顔見たいから」、楽天イーグルスの投手で大活躍中の滋賀県多賀町生まれの則本昴大選手応援のためのLefaオリジナル曲「魂~ユメノミチ~」、そしてオノ・フィルバートさんが作詞した英語の周航の歌「Lake Biwa Rowing Song」三曲とも見事でした。これまでのLefaの舞台で最高の出来栄え、滋賀が生んだ偉大な若者デュオが弾けた舞台でした!
第1部のトリは、草津東高校の山元一志くんの[Take a Trip]、高校生の冒険を歌に!、そして大津高校・大津清陵高校合同バンドの宮元香奈さんの[None of One’s]ではトリらしく、知らず知らずにびわ湖へ汚れものを流す自分たちの行為にもっと気付きを!と訴えてくれました。ふたつのグループとも昨日のリハーサルよりずっと自信をもって迫力満点。ここまで導いて下さった村田先生はじめ皆さんの思いに共感、私自身も涙がでました。
最後のアンケートでは、「今日最も感銘を受けた曲は?」の質問には第1部のすべての曲が選ばれていました。
第二部は登紀子さんの「百歌百会」「時には昔の話を」「この空を飛べたら」と期待通りの登紀子節をまず聴かせてくれました。またプログラムにはない、琵琶湖周航の歌の原曲になった吉田千秋の「ひつじ草」も独唱。
会場を歩きながら、「周航の歌」は仏教でいう「称名(しょうみょう)」のようなもの、それぞれに自分流の音程・旋律でよい、それが日本式なのだ、と最後の大合唱には自分流でというメッセージを語ってくれました。後から思うとこの語りがフィナーレ大合唱に「私も歌っていいんだ」という参加意欲に火をつけてくれたようです。
ついで宮沢和史さんを舞台にお呼びして、27年前のふたりの出会いからはじまり、25年を迎える「島唄」をふたりで熱唱。その後宮沢さんの「風になりたい」。「世界で一番美しい島」で伝えたかったのは、自分の生まれた故郷を愛したいという意味であることを披露。山梨県生まれの宮沢さんにとって水に溢れる滋賀県は憧れの場でもあるとお伝えいただきました。
つぎに、ゴスペラーズをお呼びして、東日本大震災のテーマソング「花は咲く」、「永遠に(とわ)」に「真っ赤な太陽」と、まさに伴奏なしのアカペラで、楽器になぞらえた重層的な声の演出が見事でした。大学生の時代から編み出したゴス風は一層磨きがかかり迫力満点でした。私自身も心が震えました。
「愛の賛歌」「終わりなき旅」は、今年登紀子さんが力をいれてきた「エディット・ピアフ生誕100年・美空ひばり生誕80年」にちなんでのCDアルバム「ひばりとピアフ」に収録された二曲。大きなびわ湖ホールの会場が、登紀子さんの声と思いで埋め満たされた熱唱の瞬間、会場は酔いしれ感嘆!
最後の「百万本のバラ物語」は、お馴染みとなった貧しい画家の物語の元はラトビアの子守唄であり、その語りと歌を、地元大津市の「ひまわり合唱団」と「京大グリークラブ」のふたつのグループと合唱。シニア女声とヤング男声の混声は不思議なハーモニー。アンケートでも一番感銘と受けたという人気曲でした。
さて、フィナーレの前に、京大山極総長のあいさつ。まずは「琵琶湖周航の歌は京大の歌と思っていたけれど、滋賀県の人たちにこんなに愛され、滋賀県民の歌ひいては国民の歌なのですね」と感想。その後、登紀子さんと対話しながら山極総長は「人間は鳥になりたい“空を飛べたら”と歌うが、ゴリラもサルも水の中で泳げない。水を取り込んだ生き物である人間にとって、ボートを漕ぎ自力で水上をうごく“スローな暮らしぶり”こそこれからの時代に大切だ。その時の京大生の魂は琵琶湖だ!」と世界的なゴリラ研究者らしく、独自の発想での発言をいただき、会場からは大きな笑いと拍手をいただきました。
最後のフィナーレの大合唱。「称名」のように、それぞれに自分の思いと音程で!登紀子さんが舞台から指揮をして、会場からは中谷さんが大きくタクトを振って、1番から6番まで変調しながら途切れることなく合唱。舞台の下には4日間の周航を実現した京大オレンジ群団、その真ん中に山極総長。
舞台上では、登紀子さんが先導してゴスペラーズ、宮沢和史さん、第一部の子どもたち参加者と会場との大合唱となりました。私もマイクで思わず「歌詞カードは直前なぞり周航の映像にあわせた歌詞を顔をあげてご覧いただき、一緒に歌いましょう」と案内しました。
今回、さわやかな声で全体司会を見事に仕上げてくれたのは数野祐子さんです。普段東京で活躍する数野さんの「滋賀県デビュー舞台」でした。数野さんのパートナーは、滋賀県が誇る比叡山高校卒のバトミントンのオリンピアン(昨年リオの男女混合ダブルスで世界五位)で、子どもさんをかかえながら司会者として活躍をしておられます。今後ともごひいきに!
全体は30分ほど遅れてしまい、遠方にお帰りいただく方にはご迷惑をおかけしました。来年以降も「びわ湖音楽祭」が開催できるよう、皆さまのご支援をお願いします!
嘉田由紀子