Facebook 2019年9月19日 「ふるさとをうばわれるのは絶対いや!」

17歳のはるなちゃんは「ふるさとをうばわれるのは絶対いや!」、92歳のマツさんは「この年になって、どこへ行けというのか!」と心からの訴え、石木ダム水没予定地域、こうばる地区の住民50人が次々と冷静に中村法道長崎県知事に訴えた2時間半。最後は住民全員が、頭を下げてお願いをしました。しかし直後の記者会見で「ダムの必要性は変わらない」と中村知事は表明!50年間の反対運動はいよいよ切羽詰まった人道的局面に!9月19日。

12へクタールの土地の所有権が9月19日限りで県と国に移転される、その日にようやく5年ぶりに住民と知事の面会が実現。8月末からこの日の面会のために何度もなんども打ち合わせをしてきたこうばるの皆さん。

学校も仕事もやすんでも、4歳から92歳まで、村中全員が知事に訴えに行こう!子どもたちを中心に家族ごとに思いを言葉にして訴え、手紙にして直接知事に渡そう。ダムの必要性議論の経過を理論的に反論しよう。高齢の皆さんの声もとどけよう。こうばるの生き物や人びとの暮らしぶりを絵で表現してきたほずみさんの絵の原画や、こうばるの里と自然抜きに生きていけないという思いも、知事にしっかり見ていただこう!

前の晩のうちあわせで最も意見がわかれたのが、連日の現場座り込みでつかっている「強制収容反対」のゼッケンをつけていくのか、それとも外していくのか!

「反対運動だから当然ゼッケンはつけていこう」という意見に対して、「テレビなど映像が広がった時にコワイ人というイメージがさらにひろがってしまう。私たちは普通の生活をしたいだけ、そのことをイメージしてもらえるようできないか」。

それぞれの思いをぶつけ合いながら最後には、「ゼッケンは外していこう。普通の格好で、アクセサリーもつけておしゃれして行こう」と同意。さっそく連絡網を回して服装の合意。合わせて進行シナリオも真夜中にワープロ打ってプリントをして、長崎行きのバスの中で配布、打ち合わせ。

2時間半の面会は、子どもたちの涙ながらの訴えや、理路整然としたダム建設への疑問など、見事な場でした。マスコミさんへもフルオープンです。ほうちゃんの絵、19枚の原画を皆で掲げて、最後には、全員が知事の判断にすがる思いで深く深く頭をさげました。強制収容される側からのこんな場面、誰が想像したでしょうか?本当に涙がとまりませんでした、、、、。

建物の移転などを伴う用地の明け渡し期限は、再来月・11月18日です。これを過ぎても住民が住み続ければ、県は強制的な家屋の撤去などを伴う「行政代執行」に乗り出せることになります、、、、。そんな場面、想像だにしたくありません。

中村知事の悩みは深いはずです。日本のダム建設では前例のない、今、現に生活をいとなんでいるその人たちを、住まいとふるさとからひきはがそうとする執行権を行使。するもしないも数代にわたる知事や国の判断の結果が今ここに、、、。最高責任者の知事の判断にかかっています。

石木ダムが建設されなくても佐世保市民の水は足りています。石木ダムが建設されなくても、下流川棚町の治水対策は河川改修など別の安価な方法があります。

10月から始まる臨時国会でも、議論を広げていきたいです。ダム建設には総額約540億円の半分が国費、国民の税金が入ります。今後60年間、未来の子どもたちへの借金にもなります。

面会にでかける前の日、こうばるの田んぼには、真っ赤なヒガンバナと真っ白ななニラ花が美しくさいていました。

(面会場面の写真提供:大西暢夫さん)

   

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