2月20日、参議院・東日本大震災復興特別委員会・派遣現地調査1日目。早朝東京から新幹線で花巻へ。バスで海辺に出て、大船渡市、陸前高田市など仙台まで視察。岩手県だけでも死者・行方不明者6300人、家屋倒壊26000戸。何とも辛い視察です。道路や防潮堤などハード系は随分復興しているが、町そのもののなりわいや賑わいはなかなか戻らないという苦悩の声をたくさん聞きました。
特に陸前高田市の戸羽太(とばふとし)市長のなやみは復興に苦しむ経験者の声として深く耳を傾ける必要があります。陸前高田市では、被災した市街地300ヘクタールを1400億円の巨額の資金を入れて10メートルほどかさ上げした宅地の引き渡しが今年1月から始まったが、予定通り人びとが戻らないと。
問題は時間がかかりすぎ、民間が短期間で開発した宅地で定住をした人たちが戻ってこないからだという。区画整理事業には制度の壁がいろいろあり提案をしてもなかなか改善せず、このままいくと、次に起きるかもしれない東南海地震などに自分たちの経験がいきてこない、せめて復興特別委員会で国としてとりあげてほしいと。今後担当者からの話を聞きながら制度改善に取り組む必要があります。
震災をきっかけとして、漁業の生産と流通に新機軸を開いた大船渡市の「三陸とれたて市場」での八木健一郎さんの挑戦からは希望をいただきました。話ぶりも見事でした。三陸の海の資源の豊かさに甘えてこれまで、内臓から骨まで全てを使うという視点が弱かった。そこに注目して、包丁研ぎの技術から日本ならではの加工をし冷凍して、消費の現場に小分けして届ける。現場では「三分間」の流水解凍でそのまま刺身がだせる。店やホテルなどで重宝されていると。
送り出す先は日本料理を求めるフランスやスイス、あるいは香港やシンガポールなど。特に衛生管理にきびしいEUが狙い目だと。最後に「宇宙基地にお刺身をとどけるのが私たちの夢だ!」と。来年、震災10年目を節目に実現できるといいですね。復興特の委員会としてどんなお手伝いができるか、楽しそうです。
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