Facebook 2019年1月20日

「SDGs 持続可能で、災害にも強いレジリエントな地域づくり」フォーラムで、藤井絢子さんが、東近江市を舞台とする「地域循環共生社会」について発表、嘉田は「温暖化時代の水害にどう備えるかー自治体としての覚悟と展望」で滋賀県の流域治水について発表、石巻市で「カーシェアリング」をすすめる吉澤武彦さんの発表、そこに富山大学副学長の中川大さん、法政大学の田中充さんのコメントで、熱いフォーラムとなりました。1月19日。ちょっと長いです。

京都市を舞台に25年以上の実績をもち、全国の環境自治体首長の交流フォーラムの中心であり、認定NPO法人「環境市民」が事務局母体となっている「環境首都創造フォーラム2018年度 in京都」に参加。嘉田は理事をさせてもらっています。

2018年の漢字に「災」が選ばれるほど、2018年は、西日本大豪雨をはじめとして豪雨、また台風が相次いで上陸し強風、高潮などの被害も続出。夏の猛暑も「命の危険」をもたらすほどの記録となってしまいました。気候変動による温暖化問題として、1980年代から指摘されながら、人類として有効な手がうてないまま、今に至っています。

これに対応するパリ協定は、採択から1年を待たずに発効し、国連は「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」を全会一致で採択し、17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標(SDGs)」をかかげました。世界は、まさに脱化石エネルギー時代、持続可能な社会へ向けて大きく舵を切ろうとしています。

これらの世界的な動きは、地域社会では生物多様性などの環境問題にプラスして、貧困・格差・ジェンダー・平和・資源・エネルギー・経済等の諸問題を内包しています。その上、日本社会では人口減少・高齢化・雇用の確保・地域の文化や環境の保全など、多様な課題が山積しています。

今回のフォーラムでは、環境省の環境政策統括官の中井徳太郎氏が最初に提示した「地域循環共生圏」構想のSDGs地域マンダラの内実を、具体的な自治体政策や住民活動等によって詰める会合となりました。実は滋賀県が2011年3月に、「2030年CO2半減」を条例化した、そのものずばりが、「地域循環共生圏」マンダラであり、その東近江市における内実を藤井絢子さんが発表してくれました。

私は、滋賀県では昭和50年代から琵琶湖の環境保全を目的として地域社会政策を進めてきたが、それが結果として現在のSDGsにつながっているという歴史的背景を解説しながら、水害多発時代だからこそ、ダムなどの施設に依存するだけでなく、土地利用や建物配慮、人びとの避難体制づくりなどの人の命に寄り添った「流域治水」が必要という点を具体的に公表させていただきました。

コメンテーターの中川大さん(京大名誉教授)が、ご自分が1980年代初頭に当時の建設省に入省する最初の研修会で「水害リスクを住民に知らせることの是非」が議論され、自分は知らせるのは当然だろうと思ったけれど、東大卒の賢い人たちの意見は「知らせない」という結論だった、ということ。

今回の滋賀県の条例は、ようやくその当たり前のことができる時代になって感慨深いとコメント下さいました。

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