Facebook 2019年1月11日

2019年7月参議院選挙・滋賀県選挙区の野党統一候補者調整にかかわる途中経過報告(その1)。滋賀県庁会見室で、参議院選挙の「統一候補の候補者」として、国政で実現したい政策の抱負等について、記者会見を行いました。1月10日。また長いです、すみません。

2018年12月9日に滋賀県の国民民主党から来年の野党統一候補として嘉田を推薦すると公表されました。その後滋賀県立憲民主党は元衆議院議員の田島一成さんを統一候補として推薦。共産党はかねてより佐藤耕平さんを推薦しておりました。

滋賀県では2016年7月の参議院選挙では野党統一候補で闘ったという経緯があり、今回も野党陣営から複数立候補することのないように、ということで12月以降、「立憲」「国民民主」「社民」「共産」の4党でこれまで数回の協議を進めてきました。特に政策的に近い政党が協働することで、「一強多弱」で政権与党のやりたい放題の国政を変えるという共通目標の元に協議がなされています。

ただ「12月以降、田島さんが会見で意思表示しているけど、嘉田さんの生の声が聞こえてこない」という指摘が県民の皆さんからありました。そこで今回の記者会見になりました。

まず滋賀県の国民民主党代表代行の徳永久志さんから今回の会見の趣旨を説明。そのあとまず私の方から「なぜ参議院選挙に挑戦なのか?」という抱負を語らせてもらいました。まず今の国政運営が、「三権分立」の原則を軽視しておりじくじたる思いをもっていることを述べました。

また現政権の少子高齢化対策や災害対策などが「現象後追いの部分目標」となっていて、「予防的な構造的大変革」が必要と、政策の理論的課題を総論的に申し上げました。ここは言うだけでなく、実質的に滋賀県知事時代に挑戦し、成果をあげてきた3つの政策領域、「①子育て・家族政策」「②防災・減災」「③原発・エネルギー」について詳しく抱負を語らせていただきました(この文章は具体的語りに一部補強しています)。

まず今日本の未来の最大の課題ともいえる「少子高齢化問題」です。1970年代から始まっている問題に、政府与党は手が打ちきれず、成果が十分あがっていない。これは文化・社会構造的に大変根深い問題で、今国が言っている「少子化対策」というような部分目標ではなく、子どもにとっての最善の利益と未来への安心を担保できる子育ての社会化をすすめ、希望をすればすべての家族が不安なく子産み、子育てにあたれる「予防的な構造的大変革」が必要と訴えました。

具体的には北欧やフランス等ですすめている「子ども家族省」のような総合的な省庁を舞台に、基本には家事・育児の男女共同参画を徹底してすすめ、女性の仕事と家庭の両立を図り、離婚時の片親親権を両親(共同)親権にかえ、選択的夫婦別姓をすすめる民法改正を行い、女性の平均賃金を低くおさえている、時代遅れの差別的税制も変革する必要があります。根本には「女性や子どもへの敬意」が必要です。男尊女卑の風潮の中では子どもを責任をもって産めません。

滋賀県としては「子育て三方よし」政策で、保育支援などに加えて子育て中の女性の就労支援などすすめ、「子育てしやすい県」という評価もいただきましたが、民法改正も税制改革も自治体ではできない社会構造的テーマです。ここは国政での本格議論が必要です。その為には一人でも多くの女性政治家の数が増えることが大切です。若手女性議員たちの先輩として後ろから支える役割も出来ればと訴えました。

二点目は、環境社会学者としての経験を活かした災害対策の全国展開です。知事時代は、ダムだけに頼らない流域治水条例を全国ではじめて滋賀県として制定しました。ダムは計画規模より小さい洪水はふせぐことができますが、計画規模をこえると逆に危険になることが、今回の西日本豪雨でも証明済みです。

滋賀県では、河川で安全に「流す」対策、森林や農地・流域で「ためる」対策、土地利用や建物かさ上げなどで「とどめる」対策、避難体制づくりなど「そなえる」対策の4つの方策を組み合わせ、「地先の安全度マップ」に基づき、いかなる洪水からも人びとの命を守る水害対策をすすめてきました。今、全国からこの条例について教えてほしい、自分の地域でも導入したいという要望がたくさんあります。

国も滋賀県条例に似た「水防災意識社会」政策をすすめておりますが、組織に横串をさす政策はなかなかすすみみません。また住民に開かれた利用が可能な「危機管理センター」建設をすすめ、部局をこえた防災対策も進めてきました。今後、温暖化の進行で、災害は一層激甚化する恐れがあります。首都直下型地震や東南海、南海地震も大変高い確率で想定されています。それゆえ、滋賀県の縦割り行政に横串をさしてきた防災対策をモデルに、国として「防災省」のような省庁を舞台に、アメリカのFEMAなみの予防的措置と災後対応が可能となる政策づくりを訴えます。

三点目は、原発政策です。2011年3月の福島第一原発事故以降、滋賀県知事としては、隣接する若狭湾岸の原発集中地区で、福島並の事故がおきた場合の汚染物質の拡散シミュレーションを、大気汚染、水質汚染、生態系影響の3点で予測データをだし、それに従って避難体制もつみあげようとしました。しかし、過酷な気候条件や、山がちな条件下での交通網の実態をみると、実効性ある避難体制はとうていできておりません。

それゆえ、今の段階での再稼働には賛成できません。原発に代わるエネルギー政策を自治体としてもすすめてきました。地元でのエネルギーづくりは地域経済も元気にします。技術開発や、経済界の将来投資を考えると、国政としてもっともっと再生可能エネルギー政策を中長期的な方針として定め、ドイツ並の政策が必要と訴えました。

野党共闘のための幅広い政策協議は4党協議の舞台で今、すすめています。

記者さんからの質疑応答については(その2)で紹介させていただきます。



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