8月20日のオープンキャンパスでは、「トップアスリートのサポート現場とは」として、びわスポ大の三人の教員の対話講演がありました。少し長いですが、エッセンスを紹介します。8月22日。
まず「トレーニング・健康」コースの佃文子教授は、トレーナーとしてオリンピック選手などをサポートしてきた経験から次の3点を強調。①自分がめだってはいけない、スポーツ現場では選手が一番、アスリートを身体的に仕上げていくためにサポートをする。②ストレッチやテーピングなどの技術以上に大切なのは、怪我などした時もともかく自分が冷静になって人間味あふれる気持ちから、直前に「あなた大丈夫」という声かけが大事。③高校生には、体の変化を自己管理できるように、お金がなくても自分の体の変化に気づき、補強をして自分の体のメンテナンスができるノウハウを自分で身につけてほしい。そのために学ぶことがたくさんある。
「情報戦略」の高橋圭三教授は、自分がもともと野球のピッチャーでなかなか成績があがらないので、スポーツバイオメカニクスを専門としたがそれでも応用的な効果がでない。そこに桑田真澄投手が古武術を活用して投手成績をあげていることを知って、古武術を学び、人間の体の動きの基本を理解・応用している。会場から高校生ふたり参加をしてもらって、肩の後ろの筋肉と肘をセットで構えることで上からの力で動かされない、あるいは足のふんばり方ひとつで、横からつつかれても倒れない、という実践をみせていただき会場からは驚きの声。体の使い方の原理が古武術で学べる。この原理を応用してスケートの小平選手などに体の部位による丁寧なアドバイスをしてきた。最後は「笑顔でゴールにはいって」という期待しすぎないアドバイスをしてきた。
「トレーニング・健康」コースのスポーツ栄養学の武田哲子講師は、海外での帯同指導では、たとえばリオオリンピックの時には現地の市場にでかけて食材を確保し、日本から比叡ゆばなど日本食ももちこち、メニューも考え、それも各選手に合わせた食事を整えテーブルセットまで行った。食事の意味は、単に栄養をとるだけではなく、「 楽しみ」という意味もあり、グループで 「共食 」し、人と人とのつながり を深める価値もある。食事の成果はすぐには見えない、また唯一の答えはないので、まずは相手の話を聞くところから始める。
全体を見事にわかりやすく進行してくれた豊田則成副学長が最後に、「選手をサポートする力を身につけるためには、何よりも学術的背景が大事であり、理屈があってこそである。本学では、支えるスポーツの現場を学べるが、優れた教員がいるからであり、ぜひ本学で学んでほしい」とまとめてくださいました。