Facebook 2014年9月8日

未来政治塾 南相馬 被災地に学ぶ (2) 「子どもたちが帰ってくる町」をめざしたい。

9月7日(日)、朝から南相馬市中心部で、市民目線で震災後の町づくりを進める「みんな共和国」を訪問。ここでは7月6日に川本勇さんが実行委員長として実施してくれた「びわ湖つながるフェスタ」での福島応援寄付金を、預かって来て、代表の方に寄贈させていただく。

朝最初に、酒井ほずみさんから過去4年に亘る活動総括を年表をもとに伺う。以下、酒井さんの言葉です。

3・11直後、困ったことが多かった。さまざまな組織が乱立してしまい、除染活動など誰がどうやっているのか、市民の目からみてわからなかった。そこで、2011年の秋、団体同士、市民と行政、などで対話をする場をつくった。「南相馬ダイアローグ」として二日間で2000人が集まった。その中の一つ、お父さん会議が、子どもを元気に遊ばせる場がほしい、思いっきり遊ばせたいということで「全国プレーパーク」の方法を参考に「みんな共和国」が始まった。

2012年には春休みの2週間使って屋内遊びを計画して、ホールの利用など市役所行政として破格の「いっしにやろう」という判断をしてくれた。若い担当者(30代後半)も「なんとかしたい、ただ手が足りない、市と一緒にやろう」と呼びかけてくれた。

そのあと「ケガと弁当は自分もち」の精神で冒険広場をつくった。山ひとつを遊び場にして永久に未完成の遊び場。ただ放射性物質が心配で外で遊ばせたくない親もいる。それでインドア・パークなどもつくった。

この街に暮らすことを選択してもどう遊ばせたらよいかわからない人も多い。放射能のこと、いろいろな意見、そこで暮らすことが危険と思った人は町を出ている。親御さんには多様な意見があるが、いずれも選択できるように準備してきた。屋外、半屋外、ジャブジャブ池など、天候や希望などにあわせてフレキシブルに選べる場づくりをしてきた。

子どもが遊ぶと、親同士の交流が始まり、発酵食品作りなどに展開。高校生が中心になって「じゅうだい国会」なども開いた。自分たちで通貨をつくったり。そして高校生が、自分たちで子どもに役にたてる人になりたいと思うようになった。

たとえば、アニメ系を志していた女生徒が志望を児童福祉にかえて大学を教育学部にかえたり、避難所で活動していた女子生徒が介護士から看護師になりたいとかえたりした。震災で人生をかえた子どもたちも多い。

大人としては「子どもたちがかえってきたい町」を作っていきたい、と酒井さんは締めくくって下さいました。

その後、理事の岡崎義典さんのお話しをきく。栃木県生まれ、東京で企業勤めしていたが、日本政策学校での桜井市長の話しに刺激され、決心して南相馬市に来て、市役所の任期付職員として仕事をしてきたという。市役所では文化とスポーツの部局などで仕事をしてきたが、ソトモノの自分ゆえ、地域の魅力などわかることもあり、議会を変えたい、と今、11月に予定されている市議会議員選挙の準備をしているという。

議員としてやりたいことは子育て支援。こどもたちにもっともっと外遊びをさせたい。また保育士不足なども問題だ。個別の小さな地域代表というより、手をひろげて、全体のことを考えられる議員をめざしたいと思いを語っていただきました。

「未来共和国」にはカフェがあり、そこで名物の「ソースカツ丼」を頂き午後の被災地視察にでる。

ここでは「3・11で止まった町」の写真集を出版し、7月6日には、滋賀県での「びわこつながるフェスタ」にもおこしいただいた飛田晋秀さんと、富岡町で被災し、今も水戸市で避難生活をつづける木田節子さんも合流くださる。

この後、南相馬市南部の小高地区を訪問。「帰還困難区域」から「帰還準備区域」にかわった地域で、昼間には生活活動をできるが、宿泊はできない、という地域である。

沿岸域の浦尻地区は、もともとの集落が津波で流され、住宅の土台がかすかに見えるが草が繁茂。その横には「特定廃棄物処分地」の白い壁が続く。塾生が放射線量を測る。「0.05」、特にたかいとはいえない。

その後、小高駅近くを訪問。帰還後の暮らしの再生をめざして駅前広場で草をかり、花を植えている人たちに出会う。滋賀県の藤井絢子さんたちの菜の花ネットワークの活動も知っているという小林夫妻に出会う。「10年後の世代がここに住み着きたいように今頑張る」という言葉に来て希望をみました。

また大阪、枚方からボランティアで来てこちらに住み着き、結婚をして子どもを授かった脇さんご夫婦にも出会いました。6ケ月の息子さんを囲んで皆で記念写真。

確実に希望は育っています。明日は南相馬市、桜井市長、市議会議員にお話しを伺い、小高を再訪問します。

(写真 ① 「みんな共和国」のあゆみ、のリーフレット ② 「びわこつながるフェスタ」の寄付金を寄贈、 ③ 「みんな共和国」前での記念撮影、④ 飛田さんの写真集、 ⑤ ジャブジャブ広場の掲示、⑥ 夕方のジャブジャブ広場 、 ⑦ 屋内広場で遊ぶ子どもたち

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