Facebook 2014年8月28日

スイスのエネルギー政策、水辺環境と原発(1)ー5つの原発の立地はドイツ側の人口集中地区の河川沿い。

湖のつながりで、スイスの西の端にあるレマン湖博物館とは1994年以来の20年来のおつきあいをさせてもらってきました。スイスの東の端にはボーデン湖。ここもレマン湖ほどではないが何度か訪問しました。

今回のスイス・フランスの旅の目的は大きく分けて三つです。①スポーツ大学の役割と運営の視察、②アールブリュット連携、③エネルギー政策と原発、湖沼環境です。

日程の都合から、8月25日到着後、まずライン川周辺の環境視察をしながら、③のについて、原発の立地状況などを視察しました。福島事故後、スイスでは「段階的脱原発」を宣言した、ということですが、①そもそも現在の原発立地がどうなっているのか、その地理的リスクは。特に湖が多いスイスで、原発は湖近くに立地しているのか、②「段階的脱原発」はどこまで進んでいるのか、③原発をやめる場合の代替案、特に省エネと原発に代わるエネルギー供給をどうするのかを調べることです。

湖の国であるスイスには原発が5基ありますが、この5基は、アルプスから流れ出る平野部に点在するチューリッヒ湖やルツェルン湖などの湖沼群周辺にはありません。

スイスで最も古い1968年運転開始したベツナウ1号機と70年に稼働したベツナウ 2号機は、スイス中流部を流れるアール川の最下流部に立地しており、10キロほど下流はドイツ国境でアール川がライン川に合流するところに立地しています。

最も新しい1983年稼働のライプシュタット原発はアール川とライン川が合流した直後のライン川沿いであり、川向こうはドイツです。

この三つの原発は30キロ圏内の2分の1ほどがドイツです。まさにドイツは「被害地元」。税収や雇用など利益を受けることなく、事故がおきたら被害だけ受けることになりますが、国が異なり、口は出せないようです。ちなみにスイスには原発立地地元への交付金のような優遇措置はありません。

三番目に古い、1971年運転開始のミュールベルク原発は、ベルンの中心部を流れるアール川の下流12キロほどで、ベルンの中心部、あの世界遺産で名高い聖堂を中心とする古都の町並みや国会議事堂とも至近距離にあります。

上の4つの原発は、スイス在住の環境研究家、滝川薫さんと旦那さまのフリッツに25日と26日に現地を案内してもらいました。

残りひとつの1978年稼働のゴスゲン原発は、27日にサン・ガレンに列車で移動中に、列車から目の前にみました。ここはゴスゲンの町の中心部、すぐ横を幹線鉄道が通り、民家と畑の横に煙がモコモコ上がっています。

(写真は古い順に ① ②ベツナウ原発、③④ ミューレベルク原発、⑤⑥ゴスゲン原発、⑦⑧ライプシュタット原発

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