Facebook 2014年7月8日

6月17日、知事記者会見 抜粋「梅雨本番を控えての県の取り組み状況」(長いです(^o^)/)

いよいよ梅雨本番でございます。昨年の台風18号を受け、また流域治水条例の制定を受けて、県民の皆さんの大雨や水害に対する関心が随分と高まってきました。梅雨本番を迎えて、県としてどういう取り組みを行っているか説明させていただきます。

そもそもこの流域治水条例というのは「ながす」「ためる」「とどめる」「そなえる」の4つの多重防護がセットになっています。「川の中の整備を無視する」と一部に批判されていますが、川の中と川の外をセットで、最終的に県民の命を守る、あるいは財産を守るという事の政策でございます。

まず、「ながす」対策については、昨年の台風18号で県市町含め289箇所の公共土木施設災害が発生しました。これは早期復旧に向けて工事を進めています。県の河川砂防災害については、163箇所中、149箇所で工事契約を済ませております。残りは早期復旧に努めてまいります。

それから、出水期前の河川堤防巡視点検では、年に数回、県が管理する一級河川の巡視点検を実施しております。出水期前の点検は、護岸がひび割れたり、欠損など損傷が発生していないかどうか、堤防が浸食されていたり、亀裂が入っていないかなど巡回いたします。

また、河床が掘れていないか、河道内に土砂が堆積していないかも巡回しておりますし、さらに、堰や樋門等の構造物に異常が見られないかなど、概ね6月末までに施設の異常個所の発見を実施しております。異常が発見された場合は、緊急に補修工事を実施し、出水に備えることとしております。

次いで、「そなえる」対策についてです。5月11日には野洲川総合水防演習を実施しました。これは国、県、 市町、そして各種団体が合同で行ったものでございます。台風18号により全国で初めての大雨特別警報が滋賀県に発表されたということもありまして、野洲川近隣の7自治体と滋賀県、国土交通省主催で水防演習を開催しました。

水防工法訓練、避難訓練、救出救護訓練が行われ、50団体の約1,100人の方々が参加されました。ヘリコプターなどの訓練も目の前で見せていただきました。このように災害時に「いのち」と「財産」も守るためには、各種団体と行政すべての部局が協力しなければいけないということで、お互いに顔の見える関係をつくるという意味でも大変いい機会だったと思います。この時には国の増田国土交通事務次官もお越しくださいました。

また、別途、ダム管理の情報伝達演習も実施しております。ダムの管理については、放流時の関係機関への通知、放流警報等の一般の方への周知、特に川遊びをしているときに取り残されることがないように川を利用する皆さんに周知をしていくということが大事だろうと思います。5月21日、22日に、県が管理する全6ダムにて管理情報伝達演習を実施しました。

次に、出前講座ですけれども、ここが流域治水条例で皆さんに関心を持っていただいて、結果的には出前講座に希望が殺到しています。4月から6月末まで、計28回の出前講座を実施しております。 7月以降も、出前講座の依頼をいただいております。自治会の住民の方、市町、消防団、教育委員会その他団体などで合計28回です。見ていただきますと、これまでにはなかった団体としては小中高・特別支援学校の校長先生たち、440人ほどが勉強していただきました。

私は常々、災害対策は何よりも子どもたちが 自ら身を守るということを学んでほしいと言っておりますので、この学校の先生らと連携をして進めていただいたのは大変ありがたいと思っております。

ま た、「地先の安全度マップ」を見ながら、いつどこで避難をするかということの地域特性に応じた検討が始まっております。栗東市の上鈎などは「自治会として 地区防災計画を策定したいので、是非とも県や市の支援をお願いしたい」ということで、熱い思いを自治会や防災組織からいただいております。そういう時に「地先の安全度マップ」は大変役に立ちますので、例えば長浜市が発行している長浜市総合防災マップには、流域治水条例検討の時にも議論のありました虎姫地 区の「地先の安全度マップ」も入れていただいております。

長浜市の総合防災マップは、既に平成24年8月に発行していただいておりますので、このあと具体的にどのような避難体制をつくるかということを、何よりも地域の方が関心を持っていただくことが大変大事だろうと思います。

それから、大雨の時にはそれぞれが情報を得るということで、自らが雨量や水位など、付近の状況を確認し判断し行動してほしいと思っております。特別警報では、「自ら身を守る行動を直ちに起こしてください」と言っておりますけれども、どうしたらいいのか知ってもらうためにも、テレビ・パソコン・スマートフォン・携帯電話、メールサービスなど、いろいろな方法で情報提供をしております。一番簡単な方法は、テレビで1chをつけて、dボタンを押していただきますと付近の河川水位などがわかります。また、パソコンや携帯の方は、アドレスやQRコードでも確認いただけますので、自らが情報を入手し、避難行動につなげていただければと思います。

また、自分の家の周辺がどうなっているかということですけれども、各市町が発行している「防災マップ」など で「地先の安全度マップ」を明示いただいているところもございますので、そういうところは是非自分の周辺を調べていただきたいと思います。「地先の安全度 マップ」の特色は、住民の目線で作っているという点です。水防法に基づく浸水想定区域図は、河川ごとの情報しかなかったんですけれども、「地先の安全度 マップ」は住民目線でということで作成しましたので、それぞれが自分の自宅や学校、職場がどうなっているかということを確認していただきたいと思っており ます。

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