Facebook 2014年6月12日

「おじゃまします 知事です」 (未来総括編 ⑦) 「文化財行政と新生美術館整備」

6月11日(水) 午後は長浜市高月町の唐喜山赤後寺へ。地元唐川の自治会はじめ、赤後寺の伝承を支える皆さんと、文化財の伝承と新生美術館整備ををテーマにお話しさせていただく。

赤後寺の観音様には、これまでにも長浜城博物館と東京藝術大学とでお目にかかっていますが、今回はじめて、地元のお堂で、立派なお厨子の中に安置されているところを拝観することができました。

戦国の戦乱の中で川に隠され御手をもがれ、そのお姿ゆえ、地元の皆さんの信仰深く、1000年以上地元で守りをされてきた、その存在の重さに改めて感動しました。

今春の東京藝大の展示の反響は大きかったようで、今もたくさんの方々が遠方からもお見えになるそうで、芳名録には関東地方だけでなく韓国など海外の方の名前も見られました。

赤後寺では、選挙で選ばれた6名の総代さんが、観音堂のお世話をされているとのこと。これまで守り伝えてこられたものを、次の世代に渡したいという気持ちでお守りしているという皆さん。

「観音さんが見てやるで」「いいことがあったら観音さんのおかげ、悪いことがあったら、観音さんのおかげでこのくらいで済んだと思う」という言葉に、人々を魅了する滋賀の「観音さんの文化」の本質を感じました。

県で進める「新生美術館」、「美の滋賀」の取組の中で「1000年の美」と位置付けて「仏教美術」は、まさに、こういった精神面、地域の文化も含めてとらえられるものだと考えています。

地元の皆さんからは、近くに裏山が迫る地形や、お堂に近い杉の大木など、災害を心配の声をいただきました。県では、保存修理や防災施設、収蔵庫など、計画的で安定的な文化財保護が行えるよう、平成25年に文化財保存基金を設置しました。

それぞれの文化財の状況に合わせ、どういった方法で守っていくのがよいのかご相談をいただきながら、地元の皆さんとともに、滋賀の宝を、地元でまた必要がある場合には美術館でお預かりしながら次代につないでいきたいと思います。

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