Facebook 2014年4月14日

4月12日(土)、「対話の会」総会で古賀茂明さんが講演くださいました。タイトルは「嘉田県政に見る日本の地域再生の希望」。

大変迫力ある講演でした。幾つもの論点の中で、かなり長くなりますが、私の理解の中で一部表現を補足させていただきポイントを紹介します。(とっても長いです)。

(1) 美しい滋賀県、貴重な琵琶湖、原発で汚してほしくない。その願いを嘉田さんに託したいという思いで今日の講演に来た。日本が危ない方向に進んでいる。国政では野党が総崩れで東京では閉塞感がある。戦争にむかっての危機感もある。経済的にもアベノミクスは効果が出ているとは言い難い。消費税が上がっても社会保障が充実しない。公共事業も高止まり、株も下がる。この不安感をどうやって変えるのか、国を変えるにはどこかで逆転したい。地方から始めてもらうしかない。

(2) 地方の知事選挙で地方から国に「違う」という知事が出てくるのか? 福島県知事選挙でさえ自民党は原発推進知事を担ごうとしている。対抗する野党側、候補者もいない。嘉田さんが知事選挙、どうするのか? 東京でも話題になっており、東京からも注目している。本人はいろいろ考え中という。新潟県の泉田さんとならんで嘉田さんから、原発推進の今の方向に歯止めをかけて欲しい。嘉田さんがんばってほしい。

(3) 昨日(4月11日に閣議決定された)のエネルギー基本計画はとんでもない。個別論点としては核燃料サイクル、核ゴミの見通しがたっていない。個別問題とともに、日本のエネルギー政策、世界で最も遅れたものとなってしまった。再生可能エネルギー、「一生懸命」としか言わない。2020年や2030年に30%、諸外国では数値を明記しているが日本は書けない。欄外に、参考資料として、30年に20%とかろうじて書いている。これで日本の政策は10年以上遅れてしまう。原発は安い?イギリスでは原発を買取制度にいれようとしている。これで原発絡みのお金の流れを見えるようにする。原発は高いから特別補助金つくらないとうごかせない。補助金は風力より高い。手厚い保護なしの原発はうごかせない、ということもわかってきた。

(4) 若狭湾原発で事故があれば、京都の国際的な文化遺産も汚染されてしまう。苔寺の苔はどう「除染」するのか?京都として世界のために文化遺産を守って欲しい。もちろん琵琶湖も。命の水が飲めなくなったら大変だ。ほんの何日間かでも、もし滋賀県に、放射能ふったらどうする。日本中のペットボトルを集めても足らないだろう。汚染を言ってはいけないというのが3・11直後の政府のやり方だった。本当のことをいうと人民はパニックになる、という隠す政治をやってきた。

(5) 嘉田さんはちがう。どういうリスクがあるか、放射能がどうやって飛んでくるか、それを科学的に予測して全国ではじめて知事として公表した。公表すると非難される。周りの府県は公表に反対した。流域治水政策もそうだ。水害について(ここは)危ないと知らせる。知らせるとあれやれこれやれと、自分(知事)に矛先がむけられる。そうしたら、「これをやるとこれくらいお金がかかる」とやり方を住民とコミュニケーションをとりながら一緒に対策がとれる。防災対策への住民参加であり、防災対策が自分たちのものとなる。何か起きたら「想定外」と逃げる政治と根本が異なる。命を救うことを第一に、水が来ても逃げ道を確保する。広がりのある防災対策だと思う。最終的な目的を住民と共有できる。

(6) 今回の国のエネルギー計画では、避難対策が抜けている。避難対策なしで原発動かすのは日本だけ。IAEAでさえ、「避難対策とってからでないと原発は動かしてはいけない」という。避難対策をいれないのは国際基準にあっていない。「世界最高水準の安全基準」というが、動かしたいので避難対策をいれない。(立地) 地元も規制委員会も早く動かしたいので、避難対策をいれない。アメリカのNY、ロングアイランドでは避難対策がだんだん厳しくなる。結果的にNRCは、会社が出した避難対策に納得せず、新品の原発を廃炉にさせた。それくらい避難対策を含めて安全基準は厳しい。

(7)日本では避難対策は手薄だ。地震、津波の時、原子炉がどうなるのか。まわりの住民避難、短いところで8時間、場合によっては60時間など言われている。それも道路そのものが壊れていないことが前提だ。もし地震などで道路そのものが壊れていたらどうなるのか?新潟県の泉田さんは避難対策どうするか!とっても悩んでいる。多くの原発が半島の一本道だったり、周辺に島も多い。果たして避難対策がとれるのか。

(8)今回なぜ九州だけが再稼動の審査がすすんでいるのか?日本の地殻構造はおかしくなっている。「電事連は諸悪の根源である」と班目さんは言った。みんなで相談して談合して結果を出す。今回の九州電力は電事連の掟破りをして、規制委員会に擦り寄ってきた。そこで「最初に認可してやる」となった。

(9)原発はすでに今、ゼロである。それも突然ゼロになっても意外と平気だ。ドイツでも、スイスでも、今ゼロではなく、計画的に再生可能エネルギーを増やし、その分野の産業を大きくしている。結果として地方が栄える。東ドイツも風力発電で潤っている。普通に考えると、再生可能エネルギーで地域経済は元気になる。

(10)一方、原発は経済的にあわない。国連も投資しない。安倍総理は、もう一度古い危ない原発を海外に売り込もうとしている。これは危ない。一方、準国産エネルギーの再生可能エネルギーは、夢を売ることができる。もっと「夢を売る再生可能エネルギー」として強調したほうがいい。

(11)滋賀県知事選挙の候補者の小鑓さん、経済産業省の後輩だと思うが、全く知らない。滋賀県内のある国会議員が次の知事は官僚だと言っていた。もし今回送り込まれた人が知事になると、滋賀県は、原子力村の奴隷となる。東京都知事選挙の舛添さんと同じ戦略でくると思う。「僕も同じ、原発は減らすべきだと思う。しかしすぐにはやめられない、経済的に問題」と言って問題をはぐらかすだろう。

補助金に頼って産業をよくするというのは幻想。地方は自力で産業政策をやってほしい。滋賀県にはそのポテンシャルがある。頑張ってほしい。

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