Facebook 2016年1月23日

「持続可能な地球環境にむけて」 みっつの会合に参加。全く独立的な会合であったにもかかわらず、不思議と「これまでとこれからの人間と環境のかかわりを地球規模で考える」という意味の会合でした。1月21日、22日。(長いです)。

(1) 1月21日午前と22日の午前、京都にある大学共同利用機関でもある「総合地球環境学研究所」(いわゆる地球研)が主催する「FUTURE EARTH(地球未来学)」の課題発見ワークショップに参加。持続的な地球環境社会を築くためにどのような研究プロジェクトが求められているのか、住民、企業、行政、研究者など、多様なステークホルダーから直接に聞き取りをして集めてきた1000項目近い課題項目を、二日間にわたり、その意味と重要性を議論・精査をして集約をして、今後の研究プロジェクトを生み出そうという企画です。

研究課題は、一般には研究者自身が勝手に生み出していくケースが多いのですが、このプロジェクトでは、課題項目そのものを多様なステークホルダーである現場から提起してもらい、研究テーマとして熟度をあげようという新しい意欲的な試みです。日本学術会議もかかわっており、今後の方向を期待したいです。

研究所は、地球環境学の総合研究を行なう、ということで今から15年前、2001年に設立されました。初代所長である日高敏隆さんと親しかった関係から、私自身、この研究所の発足当時からいろいろかかわりをもってきました。

何よりも地球環境問題は「人間文化の問題」と定義をして、日高さんの言われる「未来可能社会」づくりへの貢献、今後の展開を期待したいです。現在の所長の安成哲三さんは、1969年に私自身が「女人禁制」といわれながら押し入った京大探検部の大先輩で、地球環境学の中でも重要な要素である地球気象学の大家です。

地球環境学のひとつの舞台としてもわかりやすい足場でもある琵琶湖研究のローカルな環境研究立場から、グローバルに展開できたら、と期待をしています。

(2) 22日午後、京都大学での先進的大学院教育機関である「グローバル生存学大学院連携プログラム」の年度末発表会である「Energy and Environment」のアドバイザー会議で講演、対話をさせていただきました。

京大の9つの大学院から学生を集め、各学問分野への横串をさす、まさに「分野横断的」な研究テーマを発掘し、人育てという実践しようというチャレンジングなプログラムでもあります。過去5年間に70名近い大学院生を育てているということで、半数が女性、また20名近くが海外から、ということです。

私がいただいたテーマは「Women and Leadership」ということでした。そこで今回、私自身は、学者からなぜに知事に挑戦したのか、それは学問成果を社会で、政治舞台で実践したい、というやむにやまれぬ思いから発したこと、何十冊本を書き、何百編論文を書いても、環境破壊的なダムひとつ止められないことから、2006年4月に思い切って知事選挙に挑戦したことを伝えました。

同時に選挙態勢は、「軍艦 対 手漕ぎ舟」といわれながら、手漕ぎ舟こそ、住民自身のひとりひとりの参加意識が活かされ、結果として選挙で支持をもらったこと、その結果、ダム中止や流域治水条例成立など、環境保全型の政策がかなり実現できたことなどを報告しました。

軍艦対手漕ぎ舟という選挙態勢は、私が女性であり、人間関係の相互助け合い価値を埋め込んでいたので、競争的な男性的な組織づくりと異なっており、強みだったのでは、という問題提起もさせてもらいました。

今回の発表は、日本だけでなく、海外からの大学院生にとっても、かなり刺激的だったようです。また今回、女性活躍ということで、大和総研の河口真理子さんと知りあうことができました。河口さんの英語表現も見事ですが、そのバックにあるビジネス世界でみる具体的な女性リーダのあり方については、大変刺激的でした。

分野は異なりながら、基本的な方向感が近いこと確認できました。ありがとうございました。

今回は、水環境問題やダム問題での意見交換をしてきた宝教授からお誘いをいただきました。ありがとうございました。

(3)22日夜は、大津へ戻り、チームしがの「政治塾」の第三弾としてはじめた「卒原発政治塾・なぜ再稼働を急ぐのか」の第一回、「高浜原発再稼働の問題点」として、アイリーン・美緒子・スミスさんをお招きしての勉強会でした。

アイリーンさんは、1979年のアメリカのスリーマイル島での原発事故現場での調査研究、日本での水俣病患者の現実を見事に映像で伝えてくださったユージン・スミスさんとの共同的な仕事に根ざして、原発問題も1980年代初頭からぶれずに現場に足をはこび、問題を整理して発信しておられます。

今日は、今目前に迫っている高浜原発の再稼働のリスクについて、プルサーマル発電であり、その危険性は他原発と比べようがないこと、京都や滋賀県の住民の命を暮らしを守るための避難体制がいかにずさんであるかを、それぞれの責任自治体訪問の結果などをふまえて報告くださいました。

これから滋賀県民として高浜原発にどう向き合うのか、背景情報を深くうかがい、覚悟をきめることを促してくれる講演でした。ありがとうございました。

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