Facebook 2014年10月26日

滋賀県庁舎本館が国の「国登録有形文化財」に登録されることを記念しての記念式典に参加しました。

数年かけて、文化財担当者と総務部との連携のもと、ここまできたこと、感慨深い式典でした。関係者の皆さまに感謝申しあげます。

昭和14年に竣工後75周年になる県庁本館。私自身、県庁職員となって最初に足をふみいれたのが昭和56年でしたので34年前となります。

三日月知事のあいさつについで琵琶湖ホールのアンサンブルによる祝い唄のメロディーなどがあり、石造りの空間を力強くかつふんわりと包んでくれました。

知事としての日々の登庁毎に、仰ぎ見た建物の価値を、全国の県庁建築研究をしてこられた石田潤一郎さんの本日の講演でより一層自覚できました。行政府としての機能性を凝縮したロの字型の配置。縦方向にのびる柱の配置と隠された彫刻。

石田さんいわく「滋賀県庁舎本館は、近代を通じて蓄積されてきた成果を継承しつつ、問題点を克服した府県庁舎の総決算。古典古代の遺産を受け継ぎながら、現代的な機能にも対応している傑作」ということです。

圧巻は階段の横のアカンサスのモチーフです。日々、階段をのぼりながら、苦しい時にもなぜかこのレリーフには癒されました。石田さんいわく、アカンサスはギリシャ様式にみる「信じがたい生命力」を意匠化したものという。「道理で!」と自己納得です。信楽焼の技術が実現した傑作です。

石田氏と、県の文化財建物担当の池野保さんとの共著「滋賀県庁舎本館―庁舎の佐藤功一×装飾の國枝博」がサンライズ出版からだされました。記録としても、また読み物としてもおもしろいです。関心のある方、是非お求めください。

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