高島市湖西中学校では、将来の自分の夢を描くための「志学のつどい」を実施しています。びわこ成蹊スポーツ大学三年生4人が訪問、中学生たちに「私の夢と志」として、経験談を語り、対話集会を開催しました。2月4日。(長いです)
国際的な比較調査によると、日本の中学生や高校生は、自分の将来の夢について明確な意思をもっている割合が極めて少ない、ということ。ばくぜんと上級学校へ進学する生徒が多いことが各地で問題となってきました。
そんな中で滋賀県では小学生、中学生、高校生、それぞれに人生設計を考える職業体験などの事業化を行い、市町と協力をしてすすめてきました。知事時代に力をいれてきた政策です。高島市の湖西中学校では、全県共通の1週間の職業体験に加えて、二年生の最後に、三年生になるための準備として「志学のつどい」をすすめてきたようです。
今回「大学生といっしょに自分の志や夢について考えよう」という企画をびわスポ大学の学生さんに呼び掛けてくれました。2月4日には学生さんが自主的に湖西中学校にでかけて、中学生と交流をもちました。滋賀県地元の湖西中学校出身の岡田拓真さん、京都市出身の金谷武大さん、大阪市出身の山本真里菜さん、神戸市出身の垂水聖人さんの4名です。4人ともバレー部です。
まずは私の方から滋賀県内にある13の大学の紹介を、「大学コンソーシアム」のパンフレットを活用して行いました。かつて昭和40年代には、人口あたりの大学生の数は、滋賀県は、47都道府県中47位だったのが、その後の県や市など行政の努力もあり、県立大学設置や私立大学誘致で今や人口あたり大学生の数は、京都、東京に次いで全国3位になったことを伝えました。びわスポ大学は堅田から北では唯一の地元大学で、就職率なども高いことなど、すこし自校PRもさせてもらいました。
さて、次にびわスポ大学の4人の学生それぞれに自分の中学校時代に熱中したクラブ活動のこと、そこで出会った先生にあこがれて体育の先生になろうと決意したことなど、具体的に語ってくれました。その中でも岡田さんは、クラブチームで県大会をめざした熱中体験、金谷さんはクラブ員同志が勉強を教えあいながら文武両道の成果をあげてきた協力づくり、山本さんは人の役にたって不安のない社会づくりに貢献したいと警察官になりたいと志望をかえ試験勉強をしていること、垂水さんも食にかかわるアルバイト先での経験を活かして食関係の仕事につきたい、と語ってくれました。
4人に共通していたのは「自分が習ったことが実際に役に立った時がうれしかった」ということでした。これこそ湖西中学校の志学のつどいの発想の原点となった、地元出身の江戸時代の陽明学者・中江藤樹の「知行合一」の教えにも通じる概念です。そして「志学の集い」のきっかけともなった地元出身の、清水安三桜美林大学創設者の「学而事人」(学びて人に仕える)をまさに体現する心意気、頼もしいです。
湖西中学校2年生103人にはあらかじめ「自分の将来の夢」「なぜそう思うのか」「実現するためにはどんなことをしなければいけないのか」と質問していました。30名近くは「まだ決めていない」ということ、12名は「人の役にたつことをしたい」と方向だけを示してくれました。残り60名ほどはそれぞれに具体的な職業を語ってくれました。もっとも多かったのが「スポーツ選手・サポート」の7名、ついで「公務員や会社員」の6名、「教師や塾講師」が5名、「保育士」が4名、「料理・菓子屋さん」が4名などとなっていました。劇場の音響担当や動物トリマー、イラストレーターなどの具体的な職業を考えておられる生徒もたくさんいました。
今日は保護者の方も10名近く来てくださり、子どもさんたちの意見交換を楽しんでおられたようです。
今生徒さんは「ふりかえりシート」を書いてくださっているようです。そのシートに何を書いてくれているのか、いただくのが楽しみです。
ご準備いただいた皆さん、ありがとうございました。