Facebook 2015年9月4日

「よい子は川で遊ぼう」と、いい川づくりをすすめてきた活動団体の全国発表会で、滋賀県守山駅前の勝部自治会が、グランプリを受賞!住民と河川・湖とのつながりの再生を標榜してきた滋賀県としてもとってもうれしい受賞です。本日の京都新聞で紹介されました。9月14日。

1997年に「河川法」が改正され「環境保全」「住民参加」がとりいれられ、生き物や人に近い河川づくりがはじまりました。それを具体的に住民と行政が協力をして受け止めて1998年にうごきだしたのが「いい川・いい川づくりワークショップ」です。今年で第18回目です。

私自身、最初から参加をして、滋賀県内の団体といっしょに発表したり、審査員をしたり、また10年目に『いい川づくり』の書物も皆で共同出版しました。また知事になってからは、住民の皆さんがすすめる「淡海の川づくりフォーラム」を開始し、応援してきました。

日本の河川政策は明治時代の「治水」目的、昭和の「利水」目的主導で、高度経済成長期に日本中の河川が、生き物が住みにくく人びとを寄せ付けない川に変貌してしまいました。

もともと日本は森と川と海が美しい国土がひろがっていました。そこで水との精神的、文化的に深いつながりが育ってきました。特に子どもは魚がいっぱい住む水辺遊びやホタル狩りなど、水辺が大好きでした。

今回受賞した勝部自治会は、守山駅前のビルの中にあります。一見大都会。しかし、もともとが、野洲川中流部の豊富な河川水を引き入れ活用した農業用水路が縦横に張り巡らされた水田地帯でした。そこに日本で最初の天然記念物のゲンジボタルも乱舞していました。

平安時代には、「勝部大社」という龍神(水神さん)をまつる神社での火祭も始まり、それが800年の時を経て、今も厳粛に受け継がれてきています。

勝部自治会の何よりの強味は、祭り組織のような旧住民組織に、新住民や女性自治会長が活躍できるような柔軟な社会組織が育ち、そこに子どもから高齢者まですべての世代が、かかわっている多様性にあります。

活動もせせらぎの清掃から保全、ホタル探しなどの楽しみを埋め込み、同時に火災時の防火用水や水害対応など、防災にまで視野をひろげております。

今、守山市や草津市は「住みよさランキング」でも関西で上位をしめており、経済力や利便性にプラスして自然力や文化度など、多様な奥深い住みよさを象徴する町に育っています。今後とも期待したい町です。

 

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