「未来の政治を川の自治から考えよう」と呼びかけられた野外トーク。思い溢れるぶっちゃけトークでした。5月29日栗東市にて。
「365日の川とのつきあい」「良い子は川で遊ぼう」「そのためにはリスクを自ら知って住民自治の仕組みづくりを」「行政からリスクを示して、叩かれながらも仲間をひろげていこう」などと呼びかけ。
「びっくりちゃっかり140万人しが県民集会」で滋賀県流域治水条例をゼロから発想、条例制定を実現した嘉田県政8年間の滋賀県の河川政策について、かつての「ボス」(嘉田由紀子)と「担当者」(瀧健太郎)の二人が腹をわっての告白集会。村上悟(蒼いびわこ・理事長)さんが企画・進行。
村上さんにとって、25年前自分が余呉町の中学生時代に「余呉にはいろんな価値がある。田舎には宝がある」と地元の価値を意識づけした「恩人」が嘉田という。15年前の大学院生の時代、淀川水系流域委員会の委員として、滋賀県庁職員の瀧さんと出会い、「信頼」できる行政職員に出会えてうれしかったと。
元もと河川技術者として滋賀県庁にはいった瀧さん。川の外の暮らしぶりや町づくりなどを語る嘉田も村上も不思議な存在だったが、だんだんに昔から人びとが工夫をして農地や森や湿地で水を受け止めてきた流域全体での治水方式を学び、自ら川の外に飛び出して、日本初の「地先の安全度(危険度)マップ」を仲間とつくった。
縦割り行政が染みついた日本では、大河川、小河川、農業用水路、下水道など水の出どころが複数のリスクマップはこれまで作られていなかった。住民の皆さんには信じられないかもしれませんが、これが日本の行政の現実です。
このマップを元ネタとして、危険性の高い地域には住宅や公共施設などをつくらない、つくるとしたらかさ上げをしたり備えをして、命を失わない手立てをすること。不動産の取引時には、「地先の安全度マップ」を不動産業者は示すことも努力義務とした日本で初の条例が滋賀県の「流域治水条例」です。
嘉田にとっては、行政が科学的データをつくりリスクマップを出すことは地域で歓迎されると思っていたが、実際は、県議会や市長会などの一部には「危ない土地もリスクを知らせずに売り抜けよう」と願う人たちがいて、これらの土地所有者からは大変な攻撃をうけた。
また昔は自分たちで水害対策をしていた地域でも、一級河川化などで行政管理がすすむと「水害を防ぐのは県や行政の役割」ということになり、行政に要求をするだけの住民になりがちです。
そのような中で、これから「川とかかわる自治をどう進めるか?」という課題を村上さんが出されました。最後のまとめです。
私からは「365日、毎日の川とのかかわりを持つことで、小さなリスクを知り、大きなリスクに備える。特に子どもや孫たちが自由に楽しめる川こそ、万一の水害への備えを学ぶ機会」と訴えました。
瀧さんは、各地で「小さな自然づくり」を訴え、たとえば魚が登る川づくりのため、大げさな魚道をつくる前に、縄一本でカニが川をさかのぼるようなそんな小さな、身近な工夫を積み重ねて、川と仲良くしよう、と結びました。