Facebook 2015年11月24日

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 設立10周年記念フォーラム テーマは「にぎわいと若者の夢があふれる関西〜次世代育成型社会と活力を未来に〜」です。11月24日、大阪あべのハルカスで基調講演をさせていただき、ディスカッションに参加しました。(長いです)

基調講演では、人口減少の背景には、女性が子育てと仕事を両立しにくい社会状況、男性にとっては正規雇用が保障されていない雇用政策が大きく影響していることをまず指摘し、その背景には、「男尊女卑」の明治民法的意識が政治家や企業経営者の意識のなかに強く、社会の仕組みをつくっていることを、国際的な比較データなどを元に説明しました。

特に先進国の中では、「女性の有業率が高い北欧では、両立支援の仕組みが十分あり出生率も高い」、逆に「女性の有業率が低い南欧や日本・韓国では、出生率が低い」事実を示し、この背景には「男は仕事、女は家庭」という性別役割意識があり、女性が「子どもか仕事か」という二者択一を迫られ、男性は長時間労働と仕事だけに閉じ込められる社会的条件があることを示しました。

その中でも大阪とその周辺部は女性有業率が低く、非正規雇用の比率は高く、出生率も低いことを示し、若者があたりまえに結婚をして家庭をもって子育てをするためには、まずは安定した正規雇用、男女共同の子育て協力、などの社会的条件づくりが必要であることを示しました。

滋賀県知事時代には、子育て支援や教育投資、女性・若者の雇用政策をすすめ、「子育て環境日本一」をめざして各種の政策をすすめ、因果関係はわかりにくいが、出生率は上昇し、人口1000人あたりの出生数は、全国二位にまで回復したことも示しました。

また三菱UFJで調べた、関西出身で東京の大学で学んだ学生への「関西と東京圏の比較アンケート結果」では、関西の強味は「地価や物価が安く」「地域への愛着」「人情味」「歴史・文化」「自然環境」「ゆとりある生活」「子育て環境」などが指摘されました。
一方、東京圏の強味は「やりがいのある仕事」「新しいビジネスチャンス」「多様な情報」「優れて人材」「町の魅力」などとなっています。

では、今後、関西の次世代をどうつくっていくのか?私は、関西は地勢的にも盆地連合型の地域で、これは山や川や湖・海という自然と都市が近く、全体がひろくのっぺらぼうの関東と大きく異なること。関西を比喩的に「粒あん型」といえば、関西は「こしあん型」で、歴史・文化と自然のバランスある豊かさが、海外からの誘客などを高められること。その主体としては、府県を越えた関西広域連合が大きな役割を果たし始めていることなどを指摘しました。

ディスカッションの内容をふくめて、結果は報告書にまとめられるはずです。

最後には、あべのハルカス60階にあがり、360度の見事な大阪の夜景!天空庭園と天井回廊での光と音のインスタレーションも楽しみました。

 

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