Facebook 2026年3月17日 3月5日に大熊孝さんの名著『川がつくった川、人がつくった川』(ポプラ社、1995年)が30年ぶりに新版につくりかえられ、農文協から出版されました。

3月5日に大熊孝さんの名著『川がつくった川、人がつくった川』(ポプラ社、1995年)が30年ぶりに新版につくりかえられ、農文協から出版されました。表紙のイラストはにぎやか活き活き流域絵図。まさに雷が降らす大雨をうけて山から流れ出す渓流で躍るアユやヤマメと思しき魚をねらう父子、カワセミが飛び跳ね、カヤックを操る子どもからハコメガネで水中のトビケラらしき生き物をねらう少年・・・内部も大熊さん自身が写してきた河川や森の写真にあわせて、手書きのイラストで大地と川の仕組みがつたえられる。前著が中学校国語の入試問題にとりあげられたというほどの文筆家の大熊孝さんの河川研究者としての人生が凝縮された著作です。きめこまやかな配慮がきいた著作を産み出したのは農文協の編集者、田口均さんとの二人三脚の力作です。(1300文字です。長くてスミマセン)
3月1日の「八ッ場あしたの会」の東京での総会で大熊さんから直接いただきました。また八ッ場あしたの会は、嶋津さん亡き今、加藤登紀子さんと大熊孝さんが共同で代表世話人に就任なさっておられます。おふたりの接点は、利根川水系・八ッ場ダム問題です。3月1日に大熊さんからこの著書を受け取り、3月5日に加藤登紀子さんにインタビューに伺ったのでお届けしました。3月6日から9日まで『つり人』誌への「球磨川流域ものがたり」連載記事執筆のため、球磨川流域にでかけ、つる詳子さんや潮谷義子元熊本県知事さんたちにインタビュー調査にうかがい、10日からの滋賀・京都・大阪での公務を経てようやく本日東京へ。参議院での来年度予算審議も本格はじまりました。3月16日。
本書は難しい河川の問題を子どもたちが理解できるよう、大変丁寧にわかりやすく書かれています。大熊イズムにはみっつの柱があります。ひとつは河川工学者としての「国家の自然観」、ダムやコンクリート河川をつくりあげた近代技術主義を知りながらそれへの抵抗意識です。二つ目は社会的インフラとしての河川が担う価値を宇沢弘文さんとの共同著作「社会的共通資本」として位置づける視点。そして三点目は新潟水俣病で苦しむ患者さんたちから学んだという恵みも災いもそのまままるごと受け止める「草木国土悉皆成仏」の文化論ともいえる「民衆の自然観」。それだけに大熊イズムには日本の国土開発の歴史からの学びが込められています。是非、子どもたちに身近なところ、日本ではどこにでもある水路や河川への歴史や社会的価値や自然のなりたちへの関心を高めてもらうための入門書としてほしいです。
あとがきに「二人目のひ孫をむかえて」とあるようにまさにひ孫に伝えたい思いがつまっているようです。ちなみに二人のひ孫さんは、吉野川「川の学校」で育ってきたお孫さんが、東京の大学で林学を学んだ後、徳島県の吉野川沿いに住み着いて、徳島県庁で林業技術者として働きながら、山小屋を経営する旦那さんとともに生み、育てている、大熊さんご夫妻にとっては宝のようなひ孫さんたちです。吉野川第十堰を守りぬいた故姫野雅義さんやカヌーイスト故野田知佑さんたちが育ててきた吉野川「川の学校」から育った二代目、三代目です。山から川から大都市へ。川への思いは、日本各地で育っています。大隈さん、ありがとう!!
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