Facebook 2015年12月26日

関西広域連合設立5周年パーティ、来年1月29日の流域シンポジウムのご案内。12月27日。関東「こし餡文化圏」 対 関西「つぶ餡文化圏」の提案。(長いです)

大阪国際会議場で、井戸敏三連合長、三日月大造滋賀県知事、滋賀県選出の清水鉄次、中沢啓子、岩佐弘明連合議会委員と記念写真。24日のイブの日でした。

ちょうど5年前の12月1日、関西の府県と政令市があつまって広域自治体の「関西広域連合」が発足しました。都道府県や政令市の行政の隙間で手が届かないところを埋めよう、という日本で最初の広域自治体です。

「防災」「観光・文化」「経済振興」「環境保全」など広範な仕事を、各府県から集まった職員が事務局となり、首長による「連合委員会」、議員による「連合議会」で二元代表制の仕組みをつくっています。

これまでの成果で特筆すべきは、「広域防災」「広域医療(ドクヘリ)」「広域観光」「広域環境保全」「エネルギー問題」などです。防災では、東日本大震災直後に、「カウンターパート支援」として継続的支援をおこない、滋賀県は今も福島支援を続けています。

広域観光では特に海外からの誘客など、個別府県だけでは観光領域も狭いところを、都市部と自然豊かな田舎を結びつけ、歴史文化と農業体験を組み合わせたりと多様な観光ルートづくりをおこない、特に韓国、中国、台湾、東南アジアなどからの誘客の方が増えております。

エネルギー問題では、3・11以降、原発再稼働がほとんどないところで5年間、一般市民や企業に呼びかけて、真夏と真冬の省エネ・節エネ計画を実践し、15-20%のピークカットも実現してきました。関西電力の供給地域をカバーする関西広域連合が果たした役割は大きかったです。

今回は、来年1月29日開催予定の「流域シンポ」について紹介します。昨年知事退任後、私自身は連合委員会には直接かかわっておりませんが、琵琶湖・淀川水系の上下流連携の新たな仕組みづくりのための委員会の顧問として、計画づくりに参加をしてきました。

その中間報告会が今回のシンポです。関西圏域における琵琶湖・淀川水系の利水や治水の役割は大きく、これまでも多くの皆さんに関心をもってもらっております。ただ、今になって改めて注目され始めたのが、いわゆる「生態系サービス」と「文化的役割」など、水環境の多面的機能です。

関東平野に育った私には、関東地方は東京を中心に平野部全体が自然や文化的特色がみえにくい、食べ物のたとえでいえば「こし餡文化圏」のように見えます。それに対して、関西は、山と河川網で特色づけられた盆地文化連合体ともいえ、これを「つぶ餡文化圏」と名づけました。

琵琶湖盆地、京都盆地、奈良盆地、そして海に面して山を背後に擁する大阪平野、神戸平野、和歌山平野など、また内陸部には、亀岡盆地、福知山盆地、篠山盆地などの小盆地もあり、それぞれが個性的な山並みと河川を擁した自然環境の中で長い時間をかけてミニ文化圏をつくってきました。

それゆえ、琵琶湖・淀川水系の流域ガバナンスを考えるには、水環境と山間部をつなぐ河川とその周辺の流域もふくめて、水系一体のガバナンスを考えたい、と講演とディスカッションを企画しました。

河川研究と政策の大御所、中川博次京大名誉教授の「琵琶湖・淀川流域の発展とこれからの治水」という基調講演と、中村正久滋賀大学教授による「生態系サービスと流域マネジメント」の特別講演に続き、「流域の暮らしと文化、そしてこれから」のディスカッションを私がコーディネイトさせていただきますが、流域での実績をおもちの方にお声がけしたら、女性ばかりとなりました。さて、どんな議論になるやら、楽しみです。

1月29日(金)、平日の午後で仕事中の方はでにくいかもしれませんが、皆さんのご参加おまちしております。大阪中之島、国際会議場10階です。おまちしております。

 

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