琵琶湖博物館リニューアル紹介(その2)。バイカルアザラシに出会いに行ってみて下さい!7月20日。(また長いです)
1996年にオープンして、20年経ってのリニューアル!7月14日に一般公開してから、連日多くの来館者が訪問。1日6000人の日など、館員はうれしい悲鳴。長い待ち時間でご迷惑をおかけしていると思います。できたら平日のすいた日を選んでください。今回は、リニューアル展示紹介、第2弾、世界の古代湖展示の「バイカル湖」の紹介をいたします。
20年前の企画では、「世界の湖沼」展示は人びととかかわりが深い文化的個性の高い大湖沼を中心に、中国洞庭湖、東南アジアのトンレサップ湖、ヨーロッパのレマン湖、アフリカのタンガニーカ湖、北アメリカの五大湖、南アメリカのチチカカ湖の展示とし、それぞれの湖沼の生きた魚類と周辺の暮らしぶりを学芸員の現地調査に基づいて紹介しました。まわる地球儀上に湖を光らせて、ぐるっとまわる展示は学芸員の工夫の賜物でもありました。
1996年の翌年の1997年には、「世界古代湖会議」を琵琶湖博物館の開館記念として開催し、世界各地から50名を超える研究者を招待し、生物の多様性と文化の多様性の議論を深めました。そのようなところから、過去20年、琵琶湖博物館の学芸員は現地の研究者と協力をして古代湖の生態研究を進めてきました。「古代湖」とは10万年以上の古い湖で古いゆえに独自に生物進化をとげた「生き物進化の展覧会場」でもあります。
ロシアのバイカル湖は「世界最古の古代湖」といわれ、3000万年以上の歴史をもち、世界の淡水の役20%をたたえる巨大湖です。1000種以上の動物がすんでおり、そのうちの約7割が固有種で、カジカやヨコエビの仲間がいわば「適応放散」し、生息場所によって色や形、生態も固有です。
その中でも今回の隠れた主役はゴロミャンカというカジカの仲間。体重の約4割が脂肪量で浮力をあげて沖合での遊泳生活を可能にしています。このゴロミャンカを主要なエサとしているのがバイカルアザラシ、今回の古代湖展示の主役でもあります。淡水にすむ唯一のアザラシ。
今回、私もはじめてバイカルアザラシをみました。ともかく、丸く太くて、目が大きくて、爪が鋭い。この特色は、海水よりも浮力がない淡水にすむために、丸く浮かびやすくなっているということ、また厳寒の深い水中でいきるために脂肪分をたくさん蓄えるゴロミャンカなどをエサにしていて、この小さいエサを見極めるために目が大きい、その上、氷上で子育てをするので、氷を砕く爪が鋭いということ。
動き方といい、軽々と泳ぎまわり、可愛いいのひとこと!大きな目で、こちらの人影をみつめてくれます。私自身、まだバイカル湖はでかけたことがありませんが、できたらバイカルアザラシに現場で出会いたいな、と思わせてくれるような展示になっています。
次回はアフリカ古代湖の紹介とします。