5月11日、長浜市旧湖北町丁野(ようの)の「お米の家倉」さんが主催する田植えイベントに参加させていただきました。滋賀県には、若手の農業大好きな地域リーダーがたくさんおられるのですが、家倉敬和さんは奥さまの愛さんや数名の専属スタッフの皆さんと、まさに農業を先祖代々受け継いできて、食と文化の魂を残したいと活動しておられます。写真中心にご紹介させてください。(1600文字です)。
家倉さんは50ヘクタール近くの水田を耕作しながら、無農薬有機米を中心に直接消費者に販売しておられます。今日の田植えには、東京からの父子連れ、埼玉県からのご夫婦、大阪市内からの母娘さん、そして長浜市内の親子さんなど、まさに全国から参加しておられました。朝からの田植えは皆で。昼食は、薪割からご飯炊きまで担当する人、一部は野草摘みにと手分けして、それで天ぷら、そして最後には、藁仕事と、工夫いっぱいの一日をたのしませていただきました。また歴史大好き人間にはたまらない土地がらです。背景には、あの浅井三姉妹が、信長勢が放った火災の中、命からがら逃げ出した小谷城山です。なんと贅沢な、近江ならではの風景でしょう!


私は田植え前に、丁野(ようの)集落内の水路探検。各家ごとに洗い場がつくられています。イモ洗い用の、円筒水車をつかっている形跡もみられます。この水源は、田んぼと共通ですが、上流部の高塒川明神井堰からとりいれられています。もともと高塒川周辺は水源の割に水田面積が多く、水不足地帯でした。山水だけでは不足なので、昭和40年に着工し、昭和62年に完成した「湖北用水」という大型利水事業が大きな役割を果たしました。受益面積5000ヘクタール、最盛期には毎秒66トンもの琵琶湖水をいったん余呉湖にポンプアップして、余呉湖経由で配水されている「湖北用水」です。京都市民に供給している琵琶湖疏水が毎秒23トンですからそれに匹敵するほどの水量が湖北用水に供給されています。お茶碗一杯のお米をつくるのに約3000倍の水量!!お米は水の塊です!



田植えは、「滋賀旭」という、家倉さんが永年こだわってきた湖北で育ってきた地域品種です。スタートは手のひら30グラムの種からはじまり、数年かけて今に広がっています。しかも完全無農薬で育てたこの滋賀旭は実は、「七本槍」をつくりだしている同じ長浜市内の富田酒造さんのお酒の原料になっています。富田酒造さんとお米の家倉さんをつないでくれたのは、写真家のMOTOKOさんということ。そして従業員さんも、夏は家倉さんの米つくり、冬は富田酒造で酒づくり、という年間安定した雇用創出も工夫されています。見事です。

最期には、地元の写真家吉田一郎さんが陣中見舞いに来てくださいました。実は、吉田さんの「ハンノキの詩」の写真展にこられた家倉さんが、かつての湖北の水田風景に心うたれ、自分の田んぼの横にハンノキを植えたということ。今日の最後は、吉田さんといっしょに家倉さんが植えたハンノキ見学に。なかなか定着しにくいようですが、若いからこそ、このあと「、ハンノキの詩」の農村風景の再現が期待されます。うれしい世代間つながりです。
11日、母の日であることも忘れ、急ぎ、米原から東京へ。明日は決算委員会、法務と厚生労働の質問です。明後日は法務委員会、国会もやりがいのある仕事ばかりでありがたいことです。

家倉さんに、夢洲の大阪万博の跡地に湖北の水田とハンノキの郷をつくりにいきまんせんか。トチノキやブナの実を集めて、芽をだして大阪湾まで植えに行きましょう!と誘いました。とっても乗り気でした!!