Facebook 2025年4月14日 「たねや」の元社長、山本徳次さんのお別れの会にうかがい、ご冥福をお祈りさせていただきました。

4月14日、「陰徳善事」(いんとくぜんじ)「人に知られないように、善い行いをし続けることで、やがて世間に認められる」、この言葉をいつも教えてくれた「たねや」の元社長、山本徳次さんのお別れの会にうかがい、ご冥福をお祈りさせていただきました。85歳でした。戒名は「如在院種山叡徳居士」です。「比叡山を通して徳の種が山のように積み上げされた生涯であり、その故人の相思う心が、在すが如く今後皆さんを見守って下さる」という意味です。(また長いです、1700文字)
近江八幡に明治初期にはじまった和菓子舗「たねや」さんの三代目として1966年に継承。1990年代には、「ふくみ天平(てんびん)」という、最中種を湿らないように、食べる直前に餡を自分ではさんでいただく、「もなかの革命児」ともいわれる画期的な最中をつくられました。最初にいただいたとたんファンになりました。それ以来、節分の時には、福顔のお菓子を出したり、ともかく季節きせつにものがたりを産み出す和菓子を楽しませていただきました。
2015年に近江八幡の山すそに、洋菓子クラブハリエのフラッグシップ店として開店したラコリーナには度肝をぬかれました。屋根一面が緑の芝におおわれ、裏には小川から水をひいて、田んぼをつくり、生き物とともに、お菓子の原料になる稲づくりをする。基本コンセプトは「自然に学ぶ」。ヨモギなどの材料は愛知川上流部、永源寺の山中で栽培。地元で材料から育てる。ラコリーナは滋賀県内でも最大の観光地となっていて2023年には400万人もの人が訪問。
「たねや」さんは従業員を大事にする会社です。2006年に滋賀県知事になってすぐに、県内の企業保育園を調べたらたねやさんが経営する「おにぎり保育園」の挑戦が耳にはいってきたのですぐに訪問しました。保育園開始の理由は「和菓子づくりの技術に習熟した女性が結婚して仕事を辞めてしまうのはもったいない」と、ドイツのシュタイナー教育の理念に根差した保育園が誕生。おにぎり保育園のおやつは「煮干しと昆布」!お菓子づくりの味覚を乳幼児時代から育てるのですという園長の言葉、感動しました。
徳次さんの息子さんお二人が、跡をついで、近江八幡のラコリーナについで、この3月には、大津市由美浜の琵琶湖岸に、琵琶湖を一望できる「ラーゴ大津」が開店。琵琶湖辺に広葉樹を植え込み、今森光彦さん指導の「生きものが育む里山」が誕生。これから木々が芽ぶいて楽しみです。ラーゴとは、イタリア語でいう「みずうみ」です。
山元徳次さん、お別れの舞台は苔と笹にかこまれた緑のラコリーナの再現でした。
どうか安らかにお休みください・・・・合掌。
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