来週12月14日(土)午後に京都市内で開催される「北陸新幹線敦賀以西大阪延伸ルート」についての勉強会をご紹介します。主催は「北陸新幹線大阪延伸を考える有志の会」(代表:今本博健 京大名誉教授)です。敦賀から小浜を経て、京都北部の北山から京都市内を経て、大阪まで全長140キロのうち半分以上が大深度地下鉄道になる予定です。計画地沿線地域では、地下水や文化財への影響、大深度地下の上部への地殻変動問題、など直接影響が予想されます。遠隔地であっても、3.9兆円から5.1兆円という巨額の税金投入が計画されています。ということは、今の世代、次世代への税金負担です。皆さまのご参加を期待しております。なお会場は50名ほどで、オンライン聴講はございませんのでご理解ください。なお資料代金として1000円を主催者が要望されております。ご理解くださいませ。12月9日。また長いです(1410文字)。
北陸新幹線の敦賀以西の小浜・京都ルートは昭和40年代に当時の田中角栄総理が福井県の若狭湾岸の原発事業誘致と関連して小浜から京都に入る案を提案したということです。平成時代になり、福井県敦賀市までの延伸が決まり、その後のルートをどうするか、2010年に成立した関西広域連合で関係の橋下知事、山田知事、嘉田知事等で検討しました。
交通工学の専門家(当時の京大中川大教授)に、①小浜・京都市内ルート、②湖西ルート、③米原ルート、の3ルートについて比較検討し、「費用便益効果」「総事業費」「事業期間」等のデータを2012年に提案していただきました。そこでは、リニア新幹線が奈良までできることを前提として、米原ルートが、総事業費・財政負担は最小で、事業期間も短く最も合理的であるということで、2013年に関西広域連合として、米原ルート推薦という「基本的方針」をまとめました。大前提として、JR東海の新幹線に、JR西日本が米原で乗り入れるか、あるいは乗り換えかという技術的課題があることは言及されていました。
2016年に自民党PTが、地元の自民党国会議員と京都府知事等を中心にルート検討を始め、2017年に①小浜・京都市内大深度地下ルートを決定しました。その時の事業費は約2兆円で、費用・便益は1.1でした。しかし、その後の建設業界でのコスト高などを反映し、2024年5月に国土交通省は、3.9兆円から5.3兆円の建設費、建設期間は28年、費用便益効果は具体的数値をださず新しい計画を示しました。2016年当時と比べ、前提が大きくかわりました。
そこで、公共事業の財政負担のあり方や環境問題に関心をもつ研究者等があつまり、手弁当での有志の会を発足させ、まずは現在状況の情報共有をする勉強会を始めるということです。第一回目の勉強会は以下です。
なお、最新情報では、2024年12月3日の衆議院代表質問で、前原誠司日本維新の会共同代表の質問に対して、石破総理は「まずは、詳細な駅位置、ルートを絞り込んだ上で、着工五条件の検討を深め、一日も早い全線開業を目指してまいります」と答弁をしています。なお、政府与党が言う「着工五条件」とは下記です。
京都市議会や京都府議会での意見もこの場で共有できたらと思います。マスコミの皆さまのごさんかは歓迎します。
① 安定的な財源の確保
② 収支採算性
③ 費用を上回る投資効果
④ 営業主体となるJRの同意
⑤ 沿線自治体の同意