11月27日フランス大使のフィリップ・セトン氏から夕食の招待を受け、海江田万里衆議院副議長と梅村みずほ参議院議員と私の3名で、フランス大使館に伺いました。今年の5月17日国会を通過した民法改正で離婚後の共同親権の選択が可能となったことへの感謝の招待ということでした。自民党の柴山昌彦共同養育議員連盟の会長と、三谷英弘事務局長とご一緒に招待を受けていたのですが、柴山議員と三谷議員が直前に急用ができてしまったということで、申し訳ないことをしました。しかし、共同親権の法案の内容や、子どもに会えないフランス人の父についての意見交換はかなりつっこんでできたと思っております。フランス大使館の皆さま、どうもありがとうございました。11月28日。少し長いです(1500文字)。
セトン大使からは、永年の懸案であった日本の離婚後の単独親権で、父母と引き離されている子どもたちが親子交流ができるよう、ハーグ条約の実行可能性が少し進んだこと、また父母の側からも子どもに会えるよう民法改正に力をいれていただきありがとうと感謝のお声をまずいただきました。それに対して、海江田衆議院副議長が、日本も、130年もの長い間単独親権の時代をへて、国会でも賛否両論いろいろあったがどうにか共同親権が選択できる法案を通過させられてよかった、という挨拶がありました。
セトン大使は、フランスもずっと単独親権で、ようやくここ20-30年の間に共同親権が定借してきたので、日本もその選択肢が増えてうれしい、ということでした。2021年の東京オリンピック直前に千駄ヶ谷駅前で子どもに会えない父親の苦しみをうったえるために3週間以上もハンガーストライキをしたビンセント・フィッシュさんの話題が中心でした。フランスで最近、ビンセントさんの映画が完成し、封切りをされた、ということ。その内容が大変気になるのですが、フランス語なので今後、フォローしたいと思います。
同席しておられたカルモナ領事局長や、エミリアン・ルロ参事官らも、日本の連れ去りや親子引き離しの実態をよくご存じのようで、逆に「なぜビンセントさんのハンガーストライキが日本のマスコミで大きく取り上げられないのか?」と質問を受けました。日本では連れ去りや親子引き離しは必ずしも犯罪と判断されておらず、「民と民の家族問題」と思われておりその場合夫婦の争いには「両論併記」で連れ去った母親側の取材コメントがないと公表できない。そのことを連れ去った母親側の弁護士はよく知っているので、たとえばビンセントさんの元妻の弁護士は決して取材をうけない、という仕組みになっていると説明をせざるを得ませんでした。
そして今回の民法改正法案が通ったからといって、ビンセントさんが自分の子どもに会えるという保障は何もないこと、親子交流は義務化されていないこと、ここは私たち議員としても頑張ったけれどほとんど直接的な成果がえられず申し訳ない、と謝りました。
ビンセントさんの映画をこれから入手して、フランス語から日本語に翻訳して、日本でも広くみてもらえるようにしたいと思います。海外から「日本は子ども拉致国家」という汚名を着せられていて、外交問題にまでなっているのですが、日本国内では、これまで法務委員会で何度もその問題をとりあげましたが、なかなか出口がみえません。そもそも日本国内で、共同親権が2年後の施行までにどれほど準備できるのか、ここも心もとないです。今、共同親権をテーマにした書籍を準備しているのでと一応お伝えしました。
フランス大使館の皆さん、大変充実した時間をありがとうございました。これまでの法務委員会での質問を記録した5冊の冊子を大使館の図書室に寄贈させてもらいました。