「ウズベキスタン共和国」という国をご存じでしょうか。中央アジアの内陸国で首都はタシュケント、人口は3100万人ほどで、イスラム教徒が9割以上ということ。綿花栽培などで河川水を使いつくしてしまったアラル海にも面しています。京都大学防災研究所の田中賢治さんは水資源問題でウズベキスタンとの共同研究をしておられ、その共同研究者の方、19名を琵琶湖畔の比良浜にご案内くださいました。そこで「嘉田由紀子の緑陰講座」を依頼され、「湖と人間の共存」について1時間ほどのレクチャーと意見公開を行いました。大津市内は37度にも上がりましたが、ヤナギの大木の下は涼しくて、皆さん、講義プラス水遊びも楽しまれました。7月27日。
私のレクチャーは、田中さんからの依頼で、「日本の伝統的な水と人間の関係性」についてミニ講演を行いました。特に、水道導入前の湖水や湧き水を直接飲み水にした生活利用やそれを可能とした、し尿の農業用の肥料利用について詳しく解説し、一旦下水道の導入でし尿は廃棄されてきたが、最近はこの肥料要素を活用しようという動きになっていることなどを解説しました。また昨年琵琶湖博物館と、野洲市須原の「魚のゆりかご水田」も見にいかれたということ、27日の午前中には針江のカバタ見学もしてこられたようで、「伝統的用排水システム」や「水田での生物多様性」など、すでに実感として学んでくれたようです。
ウズベキスタンではイスラム教で、人間のし尿の肥料利用は文化的に抵抗があるが、羊などの家畜のし尿を肥料として使う伝統は今も維持されているということ。また全体が砂漠地帯なので、水が少なくても育つ、また塩分濃度が高くても育つ植物資源の開発利用をしているということ。先駆的で興味深い研究です。
27日はBiwaconpassのメンバー、滋賀県立大学の瀧健太郎研究室メンバーも集まり、琵琶湖生態系の現状についての意見交換や、アユやハスをつかんで料理をしたり、対岸の花火が見えて、星が見える夜まで、琵琶湖の水辺で遊びました。琵琶湖満喫デーでした!