日本熊森協会滋賀県支部(村上美和子代表)が主催する「日本の森はどうなるのか、びわ湖水源の森はどうなるのか」弁護士で日本熊森協会会長の室谷悠子さんの講演会に参加。びわ湖源流では、3ケ所の風力発電計画があります。高島市の福井県側との山頂部に二か所、長浜市北部の旧余呉町に一ケ所です。いずれも200メートル近い巨大風力発電が30数基計画されています。2年前の8月5日の豪雨で、高時川流域が痛みつけられ、今も濁水はおさまっておらずアユ漁の不作が続いています。今日、明日も湖北の豪雨が心配です。そんな河川流域をかかえる尾根筋に風力発電を30数基建設など、その下流部の水田平野部から琵琶湖まで破壊の影響ははかりしれません。6月22日は、全国の奥山ですすんでいるメガソーラーや風力発電計画の現場調査をしながら、弁護士として、また日本熊森協会の会長として走りまわっている室谷悠子さんの講演をじっくり聞かせていただきました。また滋賀県内支部の皆さんの活動報告もよかったです。皆さん、ご苦労さまでした。6月22日。また長いです(1300文字)。
室谷さんは、筋金入りの環境保護思想家であり、弁護士として法的実務を実行している活動家でもあります。彼女は中学生の時代、1992年 、新聞にのった「オラこんな山いやだ」と森にエサがなくて腹ペコになってしまったやせたツキノワグマが、里に出てきてそこで銃殺されてしまった、その記事に出逢った時から大きく人生がかわります。当時の兵庫県知事に訴え、高校時代にはツキノワグマの狩猟禁止にもちこみました。大学では一旦環境社会学を学びますが、実務的に役割が高い弁護士となるべく法科大学院に転校し、そこで弁護士資格をとりました。1997年 には野 生動 物 が生き続けられる豊かな森 を保全 ・復 元 す るた め に自然保護 団体「 日本 熊森協会」の設立 に参加し、今はその会長として全国を飛び回っています。ふたりのお譲さんが3歳と10歳、お母さんを支えてくれています。
実は、2014年に長浜市の杉野川上流部で数十本のトチノキ巨木が伐採業者の手に渡りそうになり、「びわ湖源流の森林文化を守る会」(代表嘉田由紀子)を私たち地元住民でつくりましたが、その時、弁護士として支援くださいました。伐採業者との大津地裁、大阪高裁での裁判では、弁護士として大活躍をしてくださいました。おかげで2018年には伐採業者との和解が成立し、そこでかなり巨額の和解金額を求められたのですが、その時、協力をしてくれたのがモンベルの辰野会長と熊森の室谷さんたちでした。熊森は全国の都道府県に29の支部があります。そのひとつが滋賀県支部です。
22日には、熊森滋賀県支部長の村上美和子さんからの高島市でのトラスト森林の保全活動の報告や、「やまのこ」環境教育を担当してくれている岡本さんや、風力発電計画の現場での森林伐採最前線の監視活動をしてくれている倉内光代さん、大津市三井寺の森の保全活動をすすめている松田たくやさんの報告もあり、あらためて熊森滋賀県支部の皆さんの地道な活動に感謝させていただく半日となりました。皆さんありがとうございました。