Facebook 2024年5月13日 「子ども目線で考える離婚後共同親権」という内容で講演@福井市

「子ども目線で考える離婚後共同親権」という内容で、福井市で、福井県や愛知県、名古屋市などの、子どもと会いたいけれど会えないおやごさん当事者と、地元の福井県議会議員、福井市、鯖江市などの市議会議員の皆さんとの勉強会で講師を務めさせていただきました。皆さんとっても熱心で、まさに自分の問題だけでなく、仲間へのアドバイス・配慮も含めて、熱い議論が夜まで続きました。ご準備いただいた廣野樹さん、馬場健三郎さんはじめ皆さんお世話になりました。これからも要望があるところ、どこでも行かせていただきます。会場では25名ほど、オンラインで20名ほどが参加くださいました。5月12日。今日生まれたキーワードは「縁切り文化から縁結び文化へ」でした。またむっちゃ、長いです!
展開は以下の7点です。
① 今、国会での民法改正はどうなっているのか?「離婚後の単独親権が共同親権に」が話題に
② なぜ民法改正が必要か?日本の子どもと親の幸せ度を高めるため、貧困、虐待のリスクを下げて、母親の孤立、父親の孤独、祖父母の喪失感を下げる
③ 諸外国の離婚制度、共同親権の普遍性
④ 共同親権は危険、という意見の意味とその対応
⑤ 共同親権の実効性を高めるための共同養育計画、親講座、子ども講座と自治体役割の重要性
⑥ 嘉田由紀子の国会での共同親権導入働きかけと実効性確保のための質疑応答
⑦ 参考:滋賀県知事としての子育て三方よしの子育て政策、結果全国2位の出生率達成
私の後、参議院議員の梅村みずほさんがオンラインで、主に子どもの虐待と単独親権の関わりについて海外の事例も紹介しながらミニ講演くださいました。また単独親権下で、離婚に伴って無断で子どもを連れ去られたり、あるいは追い出されたりという親は9割ほどが男性、父親ですが、1割ほどは女性もおられます。
その女性の立場からH さんがオンラインで講演。単独親権故に、別居親の悪口が同居親により子どもに刷り込まれたり、学校行事に別居親が参加できなかったり、このような問題を解決するためにも共同親権の理念の浸透を強く願っておられました。また当事者のyさんが、自分の問題から発して、「別居親に会いたい子ども当事者自助会カフェ」の実践紹介をしてくださいました。
個別の皆さんのケースの裏には、日本社会の家族の歴史的文化的あり方が深く関わっているようです。130年前の明治民法制定から終戦直後までは、家(イエ)継続の都合から男性(家長)しか親権が取れず、まさに親子、特に母子の「縁切りの文化」でした。鈴木明子さんの表現です。詩人の金子みすずは、離婚後子どもを夫に取られ、その苦しみから自殺をしてしまいました。大正初期のことです。
戦後、男女平等の憲法に則り、女性も親権が取れるようになり、同時に進んだ都市化・核家族化と職住分離の近代化の中で、「男は外の仕事、女は内の子育て」と男女役割分担が徹底され、昭和36年には女性の親権者が半数を超えました。その後女性親権が増え続け、直近では離婚後の親権は9割以上が女性になります。しかし離婚による単独親権、つまり「縁切り文化」は継承され、今度は父親が縁切り対象となり、離婚により子どもに会えなくなって生きる力を失い、自殺をする父親が増えてきます。しかし統計数値はありません。
今、男女の性別役割が見直され、「男性の家事・育児参画」と同時に「女性の経済・政治参画」が求められる時代になっています。「共稼ぎ・共育て」は、少子高齢化で人口が減少し、経済も停滞する中で、当然求められる、社会政策です。また都市化、近代化の中で、子どもにも父にも母にも孤独や孤立を強いる「縁切り文化」をいよいよ見直し、たとえ父母は別れても本来の親子のつながりを離婚後も維持する「縁結びの文化」こそ、今の時代が求める家族文化ではないでしょうか。
「子ども目線で考える離婚後共同親権」の勉強会での参加者の皆さんの最後の合言葉は「縁切り文化から縁結び文化へ!」でした。
福井駅の恐竜の前で、「縁結び文化づくり」の約束をしました。皆さん、どう思われますか?
写真撮影協力:すみさん、あつさん
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