Facebook 2024年4月13日 3月27日に「離婚後の共同親権」をめぐる民法改正が衆議院で実質審議入りして、1ケ月半。

昨日4月12日に衆議院の法務委員会で賛成多数で採決され(自・公・維教は原案賛成、立憲は修正項目をいれて賛成、共産党は共に反対)、来週の衆議院本会議で採決され、参議院に送られてきます。3月27日に「離婚後の共同親権」をめぐる民法改正が衆議院で実質審議入りして、1ケ月半。3月以降の衆議院での本会議や法務委員会での質疑、参考人質疑、すべて目を通させていただき、どの党のどなたが、どのような主張・質疑をなさったか、フォローさせていただきました。またマスコミの論調も「審議が拙速」「DV被害者を守れない」「共同親権推進国会議員は女性や子どもなど弱者の敵」などと慎重派意見が強いです。「時代の流れ」と言いながらも共同親権が重要という根拠をデータ付きで論調をはっているマスコミは数少ないです。法務大臣の立法事実(なぜこの立法が必要かという社会的理由)も、「子どもの最善の利益」とお題目ばかりで説得力は弱いです。今日は「なぜ嘉田由紀子は離婚後共同親権導入と普及拡大に政治家生命をかけているのか?」振り返らせていただきます。4月13日。(とっても長い人生物語もはいっています・微笑、3500文字)。
私自身は、日本の子どもが置かれている貧困問題、自己肯定感の低さ、虐待被害、女性の働きにくさなど国際的な比較データも示しながら、ぶれずに「子どもの最善の利益」を柱に質疑をくりかえし、参議院法務委員会や予算委員会などで2019年11月以降、50回近くの「共同親権推進」の議論をかさねてきました。各年度の報告書にもまとめています。過去70年をこえる我が人生経験、アメリカ留学なども交えた国際感覚にも根ざしています。今日は、琵琶湖岸の我が家に戻り、散りゆく桜と芽吹く柳の新芽を眺めながら、愛知県愛西市のMさんとMさんのお母さんが天塩にかけて育てて送ってくださった春キャベツ、ブロッコリー、菜の花をいただきながら、来週以降の私の共同親権政策実現への法案審議の内実を詰める強い思いを振り返らせていただきます。
実は愛西市のMさんは子どもさん4人を奥さんが連れて2年前に家をでてそれ以来全く子どもさんにあえていないということ。DVもしていないというご本人の言葉、ただし奥様は言い分があると思いますが、そこはまだアプローチできておりません。いわば「連れ去り」で父が排除されている状態ですが、母方についた弁護士さんは「絶対にマスコミや他者からのインタビューを受けるな」と指示をだしているようです。連れ去りも虐待も家庭内の出来事ですから、「両者から意見をきかないとマスコミは記事にできない」ということらしいです。過去、親しい記者さんからも何度も同じことを言われました。一方で、虐待被害者といえば、加害者の声を聴かずとも、マスコミがとりあげてくれます。
2019年に私が国会に行ってから、これまで子どもを連れ去られ、つらい日々を送っているという方たちがまさに「駆け込み寺」のように嘉田由紀子事務所にアプローチしてこられました。これまで個別に50名以上、共同親権を求める会など団体の方もふくめると数百人以上の方の家庭の事情に耳をかたむけてきました。私のマニフェストをみて、また法務委員会での質疑をみて、お手紙やメイル、また直接国会の私の部屋や大津の事務所に出向いてくださり、子どもさんを連れ去られた具体的場面、その後の苦しみ、日々の暮らしばかりか職業まで失ってしまった方もおられます。命を失ってしまった方さえおられ、今、そのご両親が共同親権実現のための国家賠償裁判に原告として発信しておられます。父や母だけでなく、祖父母も孫とあえない、という苦しみを抱えておられる方もおおいです。また子どもさんで、自分が週の半分を父親と半分は母親とくらし、まさに実践的な共同親権を実践しているが、友達から「おかしい」と非難され、相談をしてくれる高校生もおられました。
日本人だけではありません。フランス、アメリカの方たちも、日本人妻に子どもを連れ去られあえていない、と訴えておられます。EUやアメリカ政府は「日本は子どもの拉致国家」という公的な批判もだしています。個人的な家族問題に閉じておりません。国際問題にさえ、なっているのです。「ハーグ条約」(国際的な子の奪い合い(連れ去り))の履行には、「最初に連れ去り、DVなどの被害があれば元の国に返さなくていい」という抜け案をつくったのは、いわゆる左派の弁護士や活動家たちです。単独親権の民法の利用です。やはり今の日本は家族問題、男女共同参画、子育て支援の法律づくりで、「ねじれている」ようです。
ふりかえると、私自身が、世界でもまれな、離婚後単独親権が130年前の明治民法のままとりのこされ、現実の社会生活、家族生活に適合していない、と強く感じたのは滋賀県知事現職の時代でした。子どもの虐待の実態を調べた時、加害者の7割は実母でした。しかもそのうちかなり多くがひとり親のようでした。しかもひとり親は頑張っていても経済状態は厳しい。離婚後、養育費も確保できず、男女差別のきつい職場で身を粉にして働いている。この不条理をどうにかするには、法律的に離婚をしても女性だけが子育ての責任を担うのではなく、「共同養育·共同親権」を民法に定め、養育費や子育ての労働を父母が平等に負担をすることが重要と思いました。もちろん子育ては楽しみも多いです。子育ての楽しみを男女がともに享受できる社会づくりが大切です。
「共同親権」には、まさに今の日本社会が求めつつある「男性の家事育児参画」「女性の政治経済参画」という、男女役割の分断に対しての相互乗り入れを実践する仕組みが込められています。ところが、今、共同親権に反対する大きな勢力のひとつは「女性の権利拡張」を主張するいわゆるフェミニストの皆さんの一部です。2010年代から共同親権問題やハーグ条約問題がだされてから一貫して反対しているフェミニストのリーダの東京大学名誉教授のUさんは「「子どものため」と謳いながら、共同親権の背後には、家父長的な父権復活派がいるような気がしてならない。「共同親権」を主張するなら、「親らしい」ことをしてからだろう。日本の男が「親権」を主張するのはまだ早い」という。(2024年2月26日、「STOP共同親権」院内集会へのメッセージ)。
実は東大名誉教授のUさんは、50年以上前の1970年代初頭、タテカンとストライクの裏で、京大社会学の自主勉強会に参加していた時代、女性や家族問題を共に学んできた仲間でした。ただ、1970年代初頭に私が当時つきあっていたKさんと結婚をして子どもをもちたいと伝えた時、「子どもを産んだら男に利用される。家族は資本主義の手先」という批判を強くあびて、当時同じ勉強会でも私自身は浮いていた記憶があります。「個人として子どもを産まない選択肢はあっても社会としては誰かが産まないと・・・」とおずおずと抵抗した記憶があります。2年先輩のUさんは圧倒的なリーダーでした。その後、子どもを2人、孫を6人さずかり自分としては、子どもを産むという選択肢は間違っていなかったと思っています。子どもなしに自分の人生はなかったな、と子どもや孫に感謝です。
その後も最近まで私自身はUさんの弁舌さわやかな研究者の活動にふれ、書物なども寄贈してもらい勉強してきていますが、今、ここまで少子化がすすみ、Uさんが推奨した「おひとりさま」がすべての世代でひろがっている日本社会の未来を考える時、少子化に歯止めをかけるためにも「男女共稼ぎ・共育て」は大事な社会政策と考えています。Uさんのお父さんの時代の女性差別論者はかなり影をひそめ、1990年代から日本でもはじまった男性の家庭科の学びなど、男性の家事育児参画の意欲、社会意識は高まっています。我が息子たちはまさにその世代です。
Uさんは、ご自分のお父さまが富山県の医師で随分と母親を侮蔑していた父権主義者だったようです。ということを各所で言っておられます。私もほぼ同じ世代ですが、埼玉県の田舎の養蚕農家で生まれ育った私にとって父も母と共に農業をやりながら子どもにはやさしかったです。というか、上の世代の父の父(母にとっての舅)がひどい家庭内DVで、結核で寝ている母の寝床にやってきて「畑に出て働け!」と包丁をつきつけていた、私はその場面を今も脳裏に刻んでいます。家制度下での男尊女卑が、私が学問をめざした原点でもあります。そこに私は日本の家制度下の家父長役割を果たした男のひどさをみてきました。父はその舅から母や私たちを守ってくれ、「女も高等教育をうけるように」と私と姉を大学まで送ってくれました。
今、朝ドラが話題になっています。女性法律家の人生ドラマに多くの女性がその母や祖母と共感の声をあげているようですが、評論者の言葉の中に「共同親権は男女差別の象徴」という言葉がありびっくりしました。あの朝ドラを支援する人の中で、どれほどの方が「共同親権は男女差別の象徴」と考えているのか・・・・これからの議論で、Uさんやその仲間との議論の先がおもいやられます・・・。皆さん、どう思われますか?この問題は根深いです。
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