3月10日、滋賀県の「流域治水推進条例」制定を可能にした陰の応援団のお一人、不動産取引業の「イズミ産業」社長の泉藤博さんの「黄綬褒章受章祝賀会」に参加させていただき、お祝いを述べさせていただきました。3月13日。(長いです)、1500文字。
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水害のリスクを社会に出すハザードマップは、今や不動産取引時の重要事項説明での義務項目になりました。2020年8月からです。2019年8月から参議院議員として国会に行き、国土交通省に強く働きかけました。担当者も政治家からの後押しが欲しかったようで、すぐに実現しました。私以外のプッシュもあったかもしれませんが、、、、。
実はハザードマップの公表には大きく二つの壁があります。一つはその予測の正確さが科学的にもサポートできているかどうかです。ふたつめは社会的抵抗です。「公表したら地価が下がる」など特に土地所有者や不動産取引業の人たちから抵抗が出るのが普通です。
2010年に、滋賀県としてハザードマップ「地先の安全度マップ」として、大きな河川だけでなく、小河川、農業用水路、小溝、下水道など面的な洪水量を把握して、マップ化に成功しました。滋賀県職員の縦割り部局の横串を指す血の出るような努力の賜物で、土木学会賞もいただきその再現性と信頼性が高まりました。
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しかしこれを公表したところ、県議会や市長会などから大変大きな抵抗を受けました。「地価が下がる!!」「知事の役割は洪水を河川内部に閉じ込めることだ!」「学者の遊びをするな!」。職員も知事も心が折れそうな時、彦根市のイズミ産業さんが、地先の安全度マップの浸水被害深度を想定して大規模宅地のカサ上げをして宅地分譲に踏み切ってくれました。
3月10日の祝賀会の最初のところで、「イズミ産業ものがたり」の動画が流れました。平成初期、銀行員から不動産業開業に踏み切った時から奥様と二人で事業を拡大してきた足取りの中に、「滋賀県が公表したハザードマップに対応して大規模かさ上げを決意。大金を借金をしての事業に夜も眠れなかった。でもお客さんに安心、安全な住宅を届けたい」ということでこの挑戦に踏み切ったことが丁寧に解説されていました。私としても感動の映像でした。
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国会議員のリレートークの中で、泉社長に改めて深くお礼を申し上げました。おかげで滋賀県議会を2014年3月24日に通過した「滋賀県流域治水推進条例」は、浸水危険区域での土地利用規制や建物配慮など、「水害から命を守ること」を最大目的とした条例が全国で初めて成立しました。
国も、毎年のように1兆円を超える水害被害に直面し、河川内部だけに洪水を閉じ込めきれない被害実態に即して、2021年4月に流域治水関連法案をまとめて法案化しました。しかし「河川から溢れることを前提にしての政策」は、それまでの「いかなる大雨でもダムさえつくれば枕を高くして眠れる」という施設依存型の安全神話を広めてきた中で、なかなか氾濫原に暮らす当事者の理解は得られません。
そんな中で泉藤博さんの挑戦は、お母さんから言われてきた「金儲けではなく、人さまに喜んでもらえる商売を」というまさに滋賀県人らしい神仏の教えに即した商売哲学に改めて感謝です。県議の中沢けいこさんも交えて記念写真をお願いしました。
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長くなりました。被害が出て、現象が生まれる前に予防的な施策を、とモットーにしてきた私自身、今、日本の子どもが置かれている親の離婚に直面した苦難を少しでも緩和したいと、「離婚後の共同親権」法律改正に挑んでいますが、なかなか難しいです。また長いながいものがたりに突入しそうです。続きは次回に。