Facebook 2016年11月18日

「大津市は子育て支援と女性活躍推進で女性を応援します」、「地元企業×女子大学生」の出会いとマッチングの企画を、大津市主催で開催、びわこ成蹊スポーツ大学の女子学生も28名参加。越直美大津市長の講演と名刺交換、女性の人生プランについて、企業経営者とともに熱い議論が交わされました。11月16日。

2年前の2014年の10月、びわスポ大の学長になって最初に手掛けた仕事が、滋賀県内の大学の横つなぎをして、地元大学の卒業生、特に女子卒業生を地元で就職・定着してもらって、家族をもつことと・仕事を続けることの両立を果たすことができる社会的応援、つまり社会的制度づくりを進めることでした。そして、滋賀県立大学が中心となって、総務省と文部科学省が協働した「COC+」という事業として動きだしました。

「女性が仕事に出るから子どもが生まれにくい、少子化となる」というのは今や幻想です。振り返ってみると、確かに農業や自営業が主体の「食住近接」の時代、子育てと女性の仕事は両立しやすかった。「専業主婦」という概念なしに子どもは大家族内で、また地域内で育ちました。その後、都市化・産業化が進み、雇用・サラリーマン仕事が増え、「食住分離」「核家族」が優勢となった時代には、女性が通勤労働を受け止めざるをえない仕事が増え、子どもを産み育てることの障害になりました。

そして、食住分離が一定程度すすんだ都市化社会では、「女性の就業率が高いことは、出生率が高いことと正の相関になる」ことが統計的に証明されつつあります。全国知事会のデータでは、女性の就業率が高い田舎県が、東京や大阪などの都市圏域よりも出生率は高くなっています。国際的にもOECD諸国の中で、北欧は就業率も出生率も高い。日本や韓国は両方低いことが統計的にも証明されています。

「仕事か子育てか」の二者択一を迫られたら、多くの女性はどちらかを選ばざるをえない。その時、子どもを産まない、という選択を多くの女性がとらざるをえない。個人の選択はいつの時代も社会の制度や構造の中にはめ込まれていて、いくら「個人的に頑張る」と言っても、個人で解決しきれません。それが大都会の低出生率となって現れています。

女性が覚悟をもって子どもを産み育てる、その基本的な条件は仕事と子育ての両立が可能である社会的条件づくりであることがようやく社会的に認められるようになりました。その時に大事なのが、行政や政治の役割です。11月16日、成安造形大学に、41名の地元女子学生と、20社近くの地元企業の経営者が集まり、学生さんからは「自分はこんな仕事がしたい」「こんな職場で働きたい」などと意見を出してもらい、企業経営者側からは、企業活動の実態などを語ってもらう対話の場となりました。

大津市は、越市長を筆頭に、「子育て支援と女性活躍の推進」の両立をはかる政策を力強くすすめてきました。今日も、マッチング事業の前半で越市長自身が、「女性が活き活きと活躍するまち大津を目指して」という講演をしていただき、後半は、個々の学生さんとの名刺交換を経て、企業経営者との交流の場が繰り広げられました。

すぐに成果や結果があらわれる事業ではありません。でも、こうしてじわじわと、個人のライフプランの選択は社会の政治や行政から影響をうけていること、自分の人生を切り拓くそのためには社会的な制度づくりが必要であることを多くの女性学生に自覚してもらう機会になったら、と思います。

成安造形大学の「結」食堂、岩田さんが精魂こめて運営してくださっている心温まる木の家空間での、女子学生と企業との出会いの場、これからそれぞれの出会いの種が育ち、芽をだし、育っていって、実を結ぶこと、期待します。

ご準備いただいた大津市や成安造形大、そして滋賀県立大学の皆さん、ご苦労さまでした!

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