「滋賀県環境保全協会」は、「県内における環境に関する技術の進歩向上および知識の普及ならびに民間の自主的な環境保全への取り組みの推進をはかる」ことを目的に1981年に民間企業を中心に結成。ちょうど「富栄養化防止条例(石けん条例)」が、栄養分の琵琶湖への流入を規制する条例として、1979年に日本ではじめて制定された時、行政だけでなく民間企業の協働が必要ということで動きだした協会です。2024年には43周年をむかえる老舗の民間組織です。ちょうど、1981年には琵琶湖研究所がはじまり、行政、民間、そして研究という体制がうごきはじめた時期でした。私自身、81年に琵琶湖研究所準備室に入りました。1月23日には、経産省の資源循環経済課の吉川泰弘課長補佐の講演と年賀会、両方に参加させていただきました。終わってから東京へ移動。1月23日。1300文字です。
吉川課長補佐の講演タイトルは「GX時代における循環経済(サーキュラーエコノミー)について」と、循環型社会をつくるために」大変包括的な講演で、国会でも委員会なで触れてきた内容ですが、ただ、国会での法案審議でもそうなのですが、言葉の意味がなかなか率直には通じません。そもそもGX時代とは、グリーントランスフォーメーション、ということで、「化石燃料をできるだけ使わず、クリーンなエネルギーを活用していくための変革やその実現にむけた活動」です。地球規模の環境問題が広がる中で、温室効果ガス削減のための活動といえるでしょう。
具体的には、たとえばリサイクルのアルミ缶詰を使うとCO2削減量は66%になり、スチール缶だと95%というCO2削減の具体的な数値などを積み上げながら、産業別に再生物質の利用を義務づけて、たとえば飲料ボトルなら2040年までに65%、食品接触容器なら50%、という数値目標をいれていきます。実は、私自身、知事時代に2006年からまる5年かけて、「2030年CO2半減」という積み上げデータを産業別につくり、2011年3月には県として条例化をしました。しかしその時に、具体的な数値が少なく、企業活動への指針がなかなか出せず、いわば理念条例のようなもので、規制もできず悶々としていました。そのような意味では10年たって、随分すすみました。
しかし、言葉が難しすぎます。そこで吉川さんの講演のあと、「循環経済(サーキュラーエコノミー)」という表現は、昔ながらの日本語である「もったいない」という言葉と通じる意味があり、しかも「もったいない」にはモノの循環、再利用だけでなく、そのモノや存在そのものへの「尊敬の念」(レスペクト)も含まれている仏教用語でもあり、一般の人には伝えやすいのではないか、と提案しました。吉川さんは、「新しいもったいない」です、と回答くださいましたが、昔いっしょにCO2削減事業をやってきた県職員さんも、納得くださったようです。
それにしても、目の前におきている温暖化の影響、「地球沸騰化」に対してめざすべき国際的なCO2削減の必要性、2011年に滋賀県として提出した条例がどこまで効果があったのか、検証をしながら、国政と県政、そして企業活動と人びとの暮らし場面、つなぐ仕事はまだまだ奥が深いです。勉強になった年賀会でした。ご準備いただいた皆さま、ありがとうございました。