10月20日に召集された第212回臨時国会は初日に天皇陛下による開会式を経て、10月23日には岸田総理の所信表明、24日以降の衆議院、参議院の各政党・会派からの「代表質問」が提起されました。岸田総理の所信表明が「経済、経済、経済」という3点強調に対して、野党第一頭の泉健太立憲民主党代表からは「給付、給付、給付」がだされました。玉木雄一郎国民民主党代表は「賃金、賃金、賃金」の協調で、参議院の国民民主党の代表質問の大塚耕平さんが「人、人、人」と強調しました。
嘉田由紀子の政治家としての最重要問題は、目の前の物価高騰に加えて、生産年齢人口が減少し、高齢者が増えている、この人口構造に「子どもが産まれ育つ」社会づくり、それも「幸せを感じる子どもや家族が増える」社会政策を埋め込むことと思っています。圧倒的に昭和的な男性政治家が多い今の国会での、生まれた子どもが幸せ、産んだ親も幸せ、結果として社会も幸せという「子育て三方よし」の政策で、出生率全国二位を実現した嘉田県政の国政版を提案していきます。
日本政治学会での講演では、「個人史は社会史と環境史の接点にある」というところからはじめました。昭和20年代の戦後の貧しい日本農村で生まれ育った自分が埋め込まれた男尊女卑の社会。過酷な農業労働と13名もの家族の家事に追われ、結核の病に陥った病床の母に、「草むしりをしろ!」と包丁をもって押しかけてくる祖父の姿。その非情な人間性が私の社会学者としての研究の原点にあります。祖父の行動は社会的に「家を守れ」という制度の中にある。生活の場でたたかわされる、そんな社会制度を変えたい、と家族社会学をめざしました。
子どもや女性が制度的な制約の中にありながら、元気に共同で子どもを産み育てるそんなアフリカ社会の有様を梅棹忠夫さんの「サバンナの記録」の本を読み、アフリカ行をきめた高校から大学生の時代・・・1960年代。文化人類学を目指しました。コップ一杯の水の価値を発見し、それを地球規模で保全するため、とアメリカ留学を実現した1970年代初頭。子どもは群れで育つこともアフリカで学びました。結婚をして留学したその場で授かった子どもを育てながら、水環境学者としての研究を進めたいという探求心。専業主婦ではなく納税者になりさないというアメリカの大学での社会心理学研究教授からのアドバイス。
日本にかえって、1000年、2000年と同じ土地を耕し続けて米生産を維持する「水文化の歴史を調べなさい」とアドバイスくれた開発社会学の先生。その結果、琵琶湖周辺の水田農村の自然と社会の仕組みの成り立ちを研究開始。それも地域の皆さんが自分たちで身近な環境の意味と意義を発見してほしいと住民参加型調査をよびかけ、琵琶湖博物館の建設を企画、提案、実現。
その間に水の恵みと災いの調査を個別地域社会で遂行。過去の水害は河川から溢れることを織り込み済みとして、「近い水」理念の地域社会が水害対応。河川から溢れても死者を出さない仕組みが地域社会で実現。行政政策が浸透する中で、行政おまかせの「遠い水」が浸透。一旦遠い水として行政依存となり、ダムや堤防が強化された中で進む洪水の激甚化。これまでの施設では守り切れない洪水被害。川から溢れることを織り込み済みとした「流域治水政策」に転換しないと人びとの命は守れない。土地利用や建物配慮、避難体制づくりをふくめた流域治水条例を2014年3月、全国ではじめて滋賀県で成立。
子育て政策は「仕事と子育てを両立」できるように、駐車場・保育サービス・保育園情報・カウンセリング、ハローワーク情報をワンストップで入手できるマザーズジョブステーションを実現。所得水準が低くて子育てにはいれない若い人たちには非正規雇用から正規雇用へと職業訓練をすすめ、県内事業者とのマッチング事業をすすめ、若い人たちの有業率や正規雇用率を向上。結果として、粗出生率は2017年に全国二番に。