Facebook 2023年9月17日 天然ウナギを食べる湖岸炭火焼大会&「オペラガラ・コンサート」

「嘉田由紀子びわ湖便り 2023年9月17日」、ふたつの琵琶湖イベントに参加。ひとつは、まさに縄文時代からの伝統的な天然ウナギを食べる湖岸炭火焼大会。琵琶湖、霞ヶ浦、三方五湖のウナギ漁師が湖西の蓬莱浜に集い、天然ウナギを食べ比べる会が琵琶湖岸で実現。二つ目は、びわ湖ホール開館25周年を記念して、「オペラガラ・コンサート」。ガラコンサートとはオペラの名場面をソリストの熱唱でつなぐ贅沢な企画。縄文時代の食文化から、近代西欧社会で育ってきたオペラ文化まで、時代と文化をこえて、琵琶湖岸には、楽しみがいっぱいです(微笑)。9月17日。(1200文字)
三湖のウナギ漁師の炭火焼大会をよびかけたのは、霞ケ浦うなぎ村の「麦わら村長」さんこと外山厚志さん。外山さんが、滋賀県立大学卒業後、琵琶湖漁師をめざして5年目の駒井健也さんと、三方五胡の吉村侑太さんに呼びかけ、それぞれに自分の湖で捕獲した天然ウナギを持ち寄って実現したウナギ炭火焼大会。大変贅沢な、またとない企画なので、合間をぬって参加。「ひら自然農園」の加地玄太さんがつくったお野菜が、ラオス料理の小松聖児さんの手がけた野菜料理として出現。備長炭で焼いたウナギはこの上ない美味!!言葉になりません!
三方五湖のウナギ漁師の吉村侑太さんの住まいは若狭町鳥浜という。考古学や博物館に興味ある人間には縄文文化のメッカである「鳥浜貝塚」がある、あの場所です! 鳥浜貝塚は縄文人の「糞石」で有名です。糞の分析から当時の食文化が推測できます。琵琶湖博物館で展示している縄文時代の魚食文化が三方五胡とつながり、私はとっても興奮してしまいました。ただ、吉村さんは鳥浜遺跡の意味にはこれまで気づかなかったということ。地元にあるものの価値は地元民には知られていないものです。琵琶湖博物館の価値をあらためて発見でした。
大津市中心部の琵琶湖畔に建つ滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールは、1998年9月に開館し、今年25周年を迎えます。実は平成初期、滋賀県の二大文化プロジェクトとして、琵琶湖博物館とびわ湖ホールの二大企画が「淡海文化の創造」をめざす稲葉稔知事の元ではじまり、私自身人生の思いを込めた琵琶湖博物館企画で、その初期は、びわ湖ホールと同じ「文化施設開設準備室」で同室で企画仕事をしていました。琵琶湖博物館は一足さきに1996年10月にオープン。
琵琶湖博物館は過去30年近くの間に1200万人近い来館者を数えましたが、びわ湖ホールものべ572万人、8500を超える公演を実現してきました。数だけではなく、その内容もふくめて、琵琶湖博物館もびわ湖ホールも大変な蓄積です。滋賀県は「ほどほどの田舎・ほどほどの都会」で、そのバランスある地域社会にとって、ふたつの文化施設は未来への希望でもあります。今日、山中隆前館長と村田和彦現館長と、以前琵琶湖研究所でごいっしょした沢さんと記念写真を写しました。
今日のガラコンサートの私の席の右側のお二人のご夫婦は京都からという。「びわ湖ホールは京都のホールよりずっと魅力的です!」。左側のお二人は大阪市内の高校生で「2200円の若者割引でこれだけのコンサートを提供してくれる滋賀県はすっごい!」と感動。
プログラム前半は、ヴェルディとワーグナーのオペラ作品から、後半は今年度のプロデュースオペラで上演するR.シュトラウス『ばらの騎士』や、J.シュトラウスⅡ『こうもり』、モーツァルト作曲『フィガロの結婚』などから迫力ある名曲をきけました。オペラに秘められた恋や愛の機微には、文化をこえた共通の思いに共感します。琵琶湖岸で命を洗われた一日でした。
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