8月20日(日)、東京での公務の合間をぬって、7月14日に公開した宮崎駿監督の『君たちはどう生きるのか』の映画を見てきました。アオサギの画像以外、画像もストーリーも何もあかされないまま公開された作品。「となりのトトロ」「風の谷のナウシカ」など、かねてからのファンである宮崎駿監督の自伝を埋め込んだ作品ということで、どうしても見たいと熱望しながら、ようやく時間がとれました。2時間をこえる長編でしたが満足できる、そして納得できる示唆にとんだ作品でした。今後見にいかれる皆さんの楽しみを残すために、ネタバレを避けながら、私の主観的な報告をさせてください。8月20日。(ちょっと長い1600文字です)。
年齢を理由に引退宣言をしながら、どうしても心残りだった思いを託したのがこの作品だったようです。私自身、自分の年齢を自覚してこれからを考える日々ですので我が身につまされる思いです。劇場用パンフレットには「引退宣言した者がまたゾロ手を出すのはみっともない。みっともないのは覚悟の上でひらきなおっても本当にできるのか?」と自問自答しながら企画をはじめたのが2016年。1941年(昭和16年)生まれの宮崎さんは75歳。最初は3年で完成させる予定だったというが、結果はまる7年かかり2023年7月の公開となった。「これからという時に寝込んだり、死んじゃったりしたら」周りに迷惑をかけると心配しながらはじめたという。
この作品をつくらざるを得なかったのは「これからの3年に世界がどうなっているか」という懸念からはじめたという。そこには「今のボンヤリと漂っているような形のはっきりしない時代はおわっているのではないか。もっと世界全体がゆらいでいるのか。戦争か大災害か、あるいは両方という可能性もある」と宮崎は問う。そしてこんな時代につくる映画は「1,うんと平和なトトロⅡのようなものか」「2,戦時下を舞台にした映画。時代を先どりして、つくりながら時代に追いつかれるのを覚悟してつくる映画」・・・そして宮崎は2の方針をとった。
宮崎の2016年の「戦争か大災害か」という予言通り、日本だけでなく、世界的に地球規模での自然災害はますます増えて激甚化している。日本では2018年に西日本豪雨、2019年の東日本豪雨、2020年の球磨川大水害から2023年の九州北部から秋田豪雨・・・・毎年1兆円をこえる被害、そして2022年2月のロシアのウクライナ侵攻・・・。『君たちはどう生きるのか』の舞台は昭和10年代、第二次世界大戦の時代から終戦直後までの宮崎監督の自分史に重なる時代ですが、まさに今の時代、地球規模の自然災害と戦争、そのものへの問題提起でもあります。
「戦争か大災害か」というのは、今の時代に生れる日本の子どもたち、そして世界の子どもたちにとってのまさに「自分事」でもあるのです。決して過去の、昭和10年代、日本が軍国主義化していった過去の生き方だけとはいえない、まさに今の、私たちの子どもや孫たちが引き受けさせられている問題なのです。そしてそのような不安の未来を産み出した責任世代は私たち自身なのです。それも政治や経済を差配してきた政治や行政の責任です・・・。宮崎監督の問題意識を、今、私自身、政治家としての覚悟につなげています。この点については、次に展開していきます。
明日、8月21日に公示される国民民党党首選挙は、これからの日本の政治の方向を決める、ひとつの転換点になるかもしれません。今、私自身、日々、国民民主党所属国会議員として動いています。明日公示以降、またくわしく解説させていただきます。