Facebook 2023年7月2日 7月1日「びわ湖の日」に葦船(よしぶね)づくり

7月1日は「びわ湖の日」。今から42年前、武村正義知事の時代、琵琶湖条例(いわゆる石けん条例)の施行を記念してはじまった県民記念日です。今日は雨模様でしたが、高島市の今津浜で、葦船(よしぶね)づくりをして竹生島に渡るイベントがあるということで、ワダマキさんに誘われ、出かけました。葦船づくりの指導は、世界をまたにかけて「太古からの人類の知恵を世界各地でつないできた」葦船航海士のあの石川仁さんです!そして今津浜にでかけるたびに、この水辺に橋板が並んでいた時代の「近い湖の復元」を思い浮かべます。報告させていただきます。また長いです(1600文字)、7月1日。
石川さんは「葦船が人と自然を、人と人、バラバラになった文化をも繋ぐ」と薄れかけている自然との共生の歴史を辿り、葦船から学んだ感覚を伝えて行くことが、葦船に魅せられた目的であり人生をかけた役割なのだと信じ、古き記憶を現代に呼び戻す時間の旅を続けています。私が石川さんの活動を知ったのは今から20年前、2003年の世界水フォーラムの時、びわ湖から淀川を下る葦船をつくっていただきました。琵琶湖博物館で展示をしていた南米チチカカ湖も葦船で渡ったという。世界中を葦船でつないでくれています。
今回の今津のイベントの主催は「びわ湖葦船プロジェクト」で協力はNPO法人TSCとフィッシャーアーキテクトさん。「今津浜を元気にしたい」というTSCの北川わたるさんたちの思いで始まったという。昨年末から計画をねりはじめ、まずは新旭町の針江浜でヨシ刈りをして、材料を集めて乾燥保管。1月には石川さんの講演会を聴いて、葦船の歴史やその冒険の魅力にふれて、みんなで期待をもりあげて今日を迎えたという。朝から集まった親子総出でヨシをまとめて、部分、部分をつなげて、だんだんに丸く仕上げていく。
私が参加できたのは、ほんの一部でしたが、網をかける時の掛け合い言葉も石川さんの先導で「ロープの乱れはこころの乱れ」「網をしめて竹生島へ!!」と参加者全員で力を合わせる。見事です。長浜市内の木之本町の富田酒造さんの当主や余呉町の前田壮一郎さん家族なども参加しておられます。長浜市と高島市は水つながりの「一衣帯水」地域です!
私は途中でかえらなければならなかったのですが、夕方には葦船が完成をして進水式もとどこおりなくできて、びわ湖上にすべりだしたということ、畑節子さんのレポート写真をお借りしました。また北川わたるさんからも写真を送っていただきました。明日も雨模様かもしれませんが、無事、竹生島に渡れること、祈っています。
そして今津浜に出かけるたびに、「橋板銀座だった今津浜に橋板を復活しよう!」という呼びかけをしてきました。今日は北川わたるさんが興味を示してくれました。水道がはいるまで、この今津浜には浜に面した家毎に橋板(サンバシ、便利橋など呼び方はいろいろ)があり、水を汲んだり洗い物をしたり、まさに「暮らしが湖へつながるかけはし」がありました。今は、海外からのインバウンドのお客さまも浜辺の宿に泊まられますが、きっとこの橋板に興味を示すと申し上げました。世界の水辺の暮らしぶりを研究してきた嘉田の研究実践に根ざした提案です。
今残されている昭和10年代から30年代の写真には、東京など遠くから来たお客さん、あるいは地域の先生や兵隊さんの記念写真が橋板の上でとられ残されています。日常の暮らしの場を、遠路からの来客が記念写真をうつす、景色の良い場所という評価があったものと想像されます。元今津中学校の市川先生が一時再現を企画してくださいました。その記念写真も残っていますが、残念ながら市川先生は今活動は無理ということ、ぜひとも北川さんたち若い人たちに期待したいです。びわ湖の日に、今津浜橋板復活の希望がみえた記念日でした。期待しましょう!
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