6月27日、大津市立真野小学校5年生に講演に行かせていただきました、翌日28日から「びわ湖フローティングスクール」で1泊2日の湖上体験にでるので、その前にびわ湖の話をしてほしい、という依頼を小学校の先生と真野小保護者の関さんからいただいたからです。小学校5年生とは思えない、大変奥深い質問もいただき、学びと触れ合いの感動の時間でした。ご準備いただいた皆さんに感謝いたします。6月28日。また長いです(1900文字)。
②かださんはなぜびわ湖研究を?埼玉県生まれで中学校の修学旅行でびわ湖、比叡山にふれてその魅力に感動。京大探検部にはいって人類の生誕の地、アフリカ研究に。アフリカでコップ一杯の水の価値を発見、アメリカ留学を経てびわ湖研究に。
③滋賀県の人びとの飲み水の歴史をみると、水道がはいるのは昭和40年代以降、昭和30年代は湖水、川水など自然水利用も多かった。し尿を畑、田んぼの肥料に利用して、汚水を水に流さなかったから。琵琶湖博物館に嘉田がつくった再現展示(農村の暮らし、冨江家)あり。
④世界をみると、安全な飲み水を飲めない人口はアフリカでは半分くらい、汚れの源は人間のし尿。アフリカマラウイ湖辺の嘉田が調べた村では、7割の家族にトイレがない(野ぐそ)、嘉田はマラウイに日本農村でのし尿の肥料利用を伝えてエコトイレづくりをした。日本は「し尿と仲良くする=し尿親和文化」、アフリカの多くの地域はし尿のことはタブー「し尿忌避(きひ)文化」。なぜか?邪悪な呪いをうんこ、おしっこにかけられるから自分のうんこがわからないように野ぐそにする。便所を使いたくない。結果、子どもの伝染病など病気が多い。
⑤琵琶湖は近畿の人たち1450万人の「命の水源」、単なる水ガメではない。プランクトンや魚たちがたくさん棲んでいる生態系。田んぼの水路が近代化される前には、びわ湖からコイやフナなどが田んぼにはいって産卵した。なぜ田んぼで?子どもたちが答えてくれました。「えさがおおい、土がある!」そうです。そして大きな魚など敵がいない。「魚のゆりかご水田」と上流部の山林保全などふくめて、「1000年続くびわ湖システムは世界農業遺産に認定!」と伝えました。
そのびわ湖には、もともと薬師如来という人びとの健康を守る水の教主さまがすんでいる。私が毎朝びわ湖の東の方向をむいてお祈りしているのは薬師如来さまに滋賀の人びと、日本の人びとの健康と幸せを願うからです。びわ湖には、皆さんが幸せになってほしいという「ハート」が隠されています。フローティングスクールでいろいろ学んでほしいですが、びわ湖から眺める夕焼けや朝日の風景の中に「びわ湖の心」を感じてほしいとお願いしました。
最後に皆さんから質問をいただきその場で答えました。
1 「びわ湖にプランクトンは何種類くらい? 」→ 500種類以上、1000種類近くともいわれていますが、まだまだ未発見のプランクトンもあります。プランクトン研究では、プランクトン同志、あるいは魚とプランクトンの間の「食う•食われるの関係を調べるのが大事です。食物連鎖と言います。プランクトンが魚の餌になりますので。
2 「外来種と在来種とどっちが多いの?」 →種類としても、また生物生存量としても在来種が多いですが、最近、外来種は、漁師さんが取り上げて、食べたり、肥料にしたりしてますます減っています。