Facebook 2023年6月25日 第211国会における国会活動の概要(後半)

6月25日、2023年1月23日から6月21日までの第211国会における国会活動の概要の後半をお知らせします。前半は3月末までのものですが、後半は4月から6月までのものです。長いです(申し訳ありません)。2800文字です。写真は通常国会最終日、岸田総理と尾辻参議院議長が政党控室にご挨拶に来られた時のものです。毎回の国会の定例行事です。
⑧4月6日:参議院国土交通委員会(法案審査)
「気象業務法及び水防法の一部を改正する法律案」について、2020年7月の球磨川水害について、環境社会学者の視点から行った溺死者調査によると、本流の水位上昇の前に、支川や山崩れによる溺死者が多かったことを紹介。それゆえ本流の水位を下げるために上流部に巨大ダムを建設しても必ずしも人命を救う施策にはなりえないことを指摘。その上で、予報の高度化の効果、予測モデルの有効性、森林伐採による保水力の低下、民間予報会社への支援等につき、国土交通省に確認致しました。また、長崎県の石木ダムの本体工事に関連して、現に住民が耕作している土地の収用や行政代執行の課題を質し、ダムの必要性に疑問を提起しました。
⑨4月12日:参議院本会議(質問)
 「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律等の一部を改正する法律案」につき、地域公共交通ネットワーク構築に向けた財政支援の在り方や物流における鉄道貨物の果たす役割、地方自治体が第三種鉄道事業者になった場合の国による人的・物的支援に必要性等につき、国土交通大臣及び総務大臣に質問致しました。3月17日の国土交通委員会での質問項目をコンパクトにまとめて、本会議での問題提起としました。
⑩4月12日:参議院資源エネルギー調査会(参考人質疑)
「エネルギーや気候変動などSDGsをめぐる日本の情勢」につき、蟹江憲史慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授、竹内純子特定非営利活動法人国際環境経済研究所理事・東北大学特任教授及び高村ゆかり東京大学未来ビジョン研究センター教授に対して、環境保全における伝統的な力の有効性、原子力発電所の事故、バックエンド問題等につき、参考人質疑を行いました。特に高村ゆかり氏には、気候変動問題と生態系破壊の問題について、その深刻さを指摘いただきました。
⑪4月14日:参議院災害対策特別委員会(大臣所信に対する質疑)
 防災分野における国際的な貢献、地域の人材育成、防災教育、災害対応における伝統的知識の活用、防災・危機管理に関する行政組織における女性の登用につき、谷防災大臣に質しました。特に滋賀県知事として、2006年以降、防災分野の幹部に女性職員を登用して、意思決定や現場施策に女性感覚を有効に活かす方向を実現してきましたが、47都道府県の防災職員全体の中で女性が一人もいない道府県が30以上もあることは驚きました。谷大臣もこの重要性は理解くださり、今後、地方自治体にも女性登用の問題を提起していくと約束下さいました。
⑫4月18日:参議院国土交通委員会(参考人質疑)
 「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律等の一部を改正する法律案」につき、森雅志富山大学客員教授・京都大学非常勤講師・前富山市長、吉田千秋ひたちなか海浜鉄道株式会社代表取締役社長及び桜井徹日本大学名誉教授に、地域の合意形成のあり方等につき、参考人質疑を行いました。特に富山市の政策を牽引してこられた森雅志氏の、町づくりとぴったり寄り添った交通政策の実践は説得的でした。今後、滋賀県でも森さまからいろいろ学ばせていただきたいとお願いしました。
⑬4月26日:参議院資源エネルギー調査会(原子力問題に関する調査)
 地震多発大国である日本において、原子力発電所の運転期間を60年超えて可能とすることのリスク、高経年化した原子力発電所の技術的安全性の評価等につき、山中原子力規制委員長、太田経済産業副大臣兼内閣府副大臣に質しました。山中委員長は、原子力発電所の運転期間延長には、科学的、技術的保障を与えるものではない、明言なさいました。福島第一原発事故の教訓は活かされておらず、「社会の需要側・利用側の必要性」から判断されたことも明らかになりました。
⑭6月6日:参議院国土交通委員会(一般質疑)
「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案」に関連して、長浜市の中心市街地の活性化の取り組みを紹介しながら、人口減少社会における住宅政策のあり方等につき、政府の見解を質しました。特に人口減少の中、いまだに新築家屋がどんどん建設される政策は見直すべきではないか、たとえばドイツでは新築家屋、新築集合住宅建設は禁止で、熱エネルギーを節約するための「耐熱化」住宅をふやすリニューアルが住宅政策の主体となっていることを申し上げました。また、長崎県の石木ダム建設の費用が、全体285億円のうちまだ直接の本体工事にはいっていないのにすでに203億円が使われている、残り82億円で完成できるのか、斉藤国土交通大臣に質しました。大臣は「長崎県はできると言っている」という伝聞だけでした。
⑮6月9日:参議院本会議(質問)
「刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案」につき、滋賀県の「おうみ犯罪被害者支援センター」の取り組みを紹介しながら、不同意性交罪における不同意の立証等の法案の課題について、法務大臣に質しました。特に婚姻中の不同意性交については、警察がどこまで家族生活にはいりこめるのか、はいりこむべきなのか、斉藤法務大臣にただしました。大臣はこれまでの強制わいせつ罪と内容は変わらず、そこは慎重に対応していく、という答弁でした。また、「片親ロスという父親か母親を失うことが法制化されている片親親権」の問題を指摘して、こども家庭庁を担う小倉内閣府特命担当大臣の見解を質しましたが、小倉大臣は「法務省の役割」と答弁なさいました。
⑯6月9日:参議院災害対策特別委員会(災害対策樹立に関する調査他)
 避難所におけるトイレ問題、流域治水とグリーンインフラ、生態系を活用した防災・減災(エコシステム・ベースド・ディザスター・リスク・リダクション)、JICAを通じた日本の貢献につき、谷防災大臣及び関係機関の認識を質しました。特に地球温暖化の影響で災害が増えたというが、それに対応するために河川や国土をコンクリート化すると余計に温暖化を誘発し、かつ災害の減少には効果が少ない。逆に河川や国土のグリーン化をすすめることで、長期的に温暖化の予防とともに、災害被害の最小化をはかることも可能であることを主張しました。
また、5月9日に、質問主意書(「こども家庭庁が発表した養育費の数値目標に関する質問主意書」)を提出致しました。4月26日に小倉大臣が2031年に離婚後の子どもの養育費の支払い目標を40%にひきあげるという国家目標をかかげたことに、反論しました。そもそも民法を改正し、離婚後の共同親権を基本として義務化したら養育費の支払いは限りなく100%に近い目標をつくることができ、子どもの貧困問題への改善にも大きく寄与することを主張しました。質問主意書への答弁は、「法務省」「法制審議会」で審議中という内容でした。
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