Facebook 2023年3月15日 参議院予算委員会で「離婚後の子どもの親権問題」をめぐって、答弁をお願いしました。

3月15日、参議院予算委員会で「離婚後の子どもの親権問題」をめぐって、斎藤法務大臣、林外務大臣、法務省、厚労省に答弁をお願いしました。往復で20分ほどあります。下記のアドレスで見ていただくことは可能です。聞き返してみますと、時間にせかされていて、何とも聞き苦しいところもありますが、ポイントは「子どもにとっての最善の利益=共同親権制度と母親のDV保護は両立する」ということです。3月3日の予算委員会以降も、数名の方から、「自分も子どもと会えない」「連れ去りにあった」という訴えが届いています。全国で苦しんでおられる方がたがたくさんおられること、知っていただきたいと思います。また長いです(2800文字)。関心の低い方はどうぞスルー下さい(微笑)。3月16日。
1 日本の離婚制度は協議離婚が主で、養育費や親子交流などの約束事なしに、ハンコひとつで成立する、子どもに冷たい制度です。毎年20万人ものこどもが親の離婚に巻き込まれ一人親を迫られています。国際的にみても極めて異例です。この状態を改善するために、離婚時に「共同養育計画合意書」(仮)をつくることを義務付ける提案をしたいです。作成手続きとしては、弁護士さんなどの仲介でADR(裁判外調整制度)を活用することを提案しました。パブコメで共同養育計画づくりのような提案はなかったか?→(斎藤法務大臣)パブコメ情報がまだ整理途中なので、具体的に答弁できない。
2 「共同親権は(母親が)DVから逃げられなくなるから危険」という意見がありますが、現在共同親権制度を採用している国でもDV被害者が守られないので単独親権に戻そうという国があるという意見があるがそのような国はあるか? →(法務省)法務省が調査した限りではそのような国はない。
3 そもそも離婚後共同親権制を採用している国では、DV事案にどのように対応しているのか? →(法務省)フランスでは家庭内暴力や虐待がある場合には裁判所が一方の親権をとりあげたり、ドイツでも一方だけに親権を帰属させるという対処があると聞いている。
4 令和3年度の一人親世帯調査では、母子世帯の半数以上が養育費の取り決めをしていませんが、理由として「相手から身体的・精神的暴力を受けたことを挙げているのは何%くらいか? →(厚労省)4.4%です。最大の理由は「相手と関わりたくない」という理由で34.5%あります。
5 民間法制審(北村晴男弁護士)がすでに共同親権のための法案と逐条解説をだしているので、そこにはDVへの対応はどう書かれているか?→(法務省)夫婦の一方が子を連れて別居しようとする場合又は夫婦の一方が子と同居しつつ他の一方を住居から退去させようとする場合には、他の一方の合意又は家庭裁判所の許可を得なければならない、ただし、急迫の事情があるときは、この限りでないといった規律が提案されているものと承知しています。
6 DV被害者を保護しながら離婚後共同親権制を実現する民法改正法案、今すぐにでも国会に提出できる状態と理解しておりますが、政府の動きは遅いです。理由として、共同親権制度に賛成すると、DV被害者に冷たいと批判され、選挙に不利になるからとの声が聞こえます。実は私も、二〇一九年の七月、参議院選挙で離婚後共同親権を選挙公約に入れたことでネット上で落選運動をされました。落選運動をされるつらさは当事者として大変よく分かりますが、選挙を目の前にする政治家の弱みに付け込んで政争の具にするのは大変悲しいです。この問題は、日本の子どもの命運を懸ける大問題です。政争の具にしてはいけません。DV被害者を保護しながら共同親権を心から望む親や子どもたちがたくさんいます。齋藤法務大臣に提案ですが、各種広報などで、DV被害者保護と離婚後共同親権制は両立するという正しい情報を国民に広げていただくこと可能でしょうか。→(斎藤法務大臣)一般論として申し上げれば、国民に対して正しい情報を丁寧に発信していくということは重要でありますので、法務省でも法制審議会における調査審議の状況ですとか外国法制調査の結果などをホームページで公開するなどの取組をしている。
7 実は、これは外交問題も関わっています。昨年、国際自由権規約の規約委員会は日本政府に最終見解を採択しました。そこでは、親による子の連れ去り事件に対して適切な対応がなされるように必要な措置を講じなければならない、また、子の監護に関する決定に関しては、国内的な事件であっても国際的な事件であっても、子供の最善の利益が考慮され、実務上、完全に実施されるよう確保しなければならないと勧告がされております。林外務大臣、この勧告に対してどのような対応を行う必要があるでしょうか。→(林外務大臣)この総括所見の中では、今御指摘のあった点も含めて、多岐にわたる事項に関して同委員会としての見解及び勧告が含まれております。この総括所見、法的拘束力を有するものではございませんが、同委員会の勧告等について、関係府省庁とともに内容を十分に検討していきたいと思っております。国際社会において、日本の考え方が正しく理解されるように引き続き力を尽くしてまいりたいと考えております。
8 林外務大臣の御答弁を受けて、齋藤法務大臣、どう御所見をお持ちでしょうか。→(斎藤法務大臣)令和四年十月に我が国が提出をした第七回政府報告につきまして自由権規約委員会による審査が行われて、同年十一月に我が国に対する勧告を含む総括所見が公表をされたわけであります。また、令和二年七月には、欧州議会が共同親権の可能性に向けた国内法令改正を我が国に促す旨を含む決議を採択したことも承知をいたしております。我が国における父母の離婚に伴う法制度については、これらの勧告や決議も含め、海外からも様々な御意見が示されています。そのような御意見の中には、我が国の法制度についての誤解や事実誤認に基づくものも含まれているため、誤解等を解消することができるよう我が国の制度を丁寧に説明していくことも重要と認識しています。
9 私が繰り返しこの問題を申し上げておりますのは、子供たちの命が関わっているからです。毎年二十人もの子供が、片親あるいはその同居人から殺されたりしております。大変悲しいです。G7では、日本だけがこの単独親権、残っております。五月に日本で開かれるG7会合の議長国として、国際標準の日本にするために共同親権の法案を国会に提出したという実績をつくれるよう、大変出過ぎたお願いですが、林外務大臣から岸田総理に働きかけていただけないでしょうか?→(林外務大臣)今お話のあった点は所管外でございまして、外務大臣として申し上げる立場にはないと思いますが、国内外に様々な御意見があることを踏まえまして、現在、法務大臣の諮問機関である法制審議会において必要な検討が行われているというふうに承知をしております。
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