Facebook 2023年3月6日 川瀬明日望さん「卒業展示会」を地元選出の今江まさひこ県議会議員と訪問@沖島

3月6日(月)、参議院予算委員会では、川合孝典議員が「差し替え」で登壇してくださることになり、私は滋賀県内での地元活動。近江八幡市沖島で、3年間地域おこし協力隊で活躍してくれた川瀬明日望さんの「卒業展示会」を、地元選出の今江まさひこ県議会議員といっしょに訪問。1980年代の琵琶湖研究所時代からのお知り合いに沖島漁業の現状や、高齢者の暮らしの問題、そして若い移住者への期待などを直接に聴き取りさせていただき、今江さんへのご支援をお願いしてきました。昨日の湖北の「イカハッチン」の移住女性たちの動きに匹敵するほどの、若い女性の移住者、関係者がふえています。頼もしいです!また長いです(2300文字)。3月6日。
日本で唯一の、淡水域にある人が暮らす島が沖島です。平安末期の保元・平治の乱にともなって落ち武者が住み着いたという伝説のある琵琶湖の沖島。信長の時代にはシジミ漁業など特別の漁業権を獲得し、江戸時代、明治時代から現在まで、琵琶湖漁業の中心地として活躍してきました。近年の淡水魚の需要減少や、若者の流出などで悩んでいるところに、今、若い女性たちが、新たな視点で、沖島に注目をしています。
その一人が、地域おこし協力隊として、3年間沖島の古老の生活記録の聴き取りをし、同時に湖魚料理を自ら学びながら、京都市内のレストランなどで広報をし、島からの発信を一手に引き受けてきた川瀬明日望さんです。川瀬さんはもともと琵琶湖から離れた滋賀県日野町出身ですが、京都芸術大学で芸術デザインを学ぶ間に、島のような、小さなコミュニティに暮らす人たちに興味をもち、沖島でのフナずしつくり体験を通じて、沖島への移住を決意したということです。
今回の展示会では、川瀬さん自身の、沖島の漁業や暮らしぶり紹介、びわ湖の抒情豊かな四季折々の自然の映像をわかりやすく印象的に展示しています。同時に、最近沖島にかかわり始めた「沖島文庫」という写真集をまとめた、高木里美さん、漁師さんが使い終わった漁網を再生させ、新たな織物をつくりだした安村桃子さんの活動など、沖島の歴史や生活史に尊敬の念をそそぎながら、島の暮らしの持続性を提案する新しい提案が山盛りです。
今日、奥村ひとみさんが、沖島に住み着いた作家の櫻木みわさんを紹介くださいました。櫻木さんは沖島に住み着き、琵琶湖の奥深さに根付く自然環境、長年のコミュニティ中心の社会環境の中で、人びとの想いを埋め込んだ小説を描きたい、という。沖島からの帰路、櫻木みわさんの『カサンドラのティータイム』を、近江八幡市内の書店で入手し、東京に移動する新幹線の中で読ませていただきました。問題意識の不思議な符号を感じております。
福岡で生まれ、東京で仕事をしていた女性の主人公のYさんが滋賀県に引っ越しをします。彼女が悩んでいたのは、夫からのモラハラです。夫は自分の子ども時代に父親の強烈な母親への、子どもの面前でのDVを経験し、それが隠れた自分の妻への暴力意識につながってしまう。世代を超えての暴力継承、根が深い問題です。そこでは「他人を攻撃することで自分の身を守る」行動に出ます。妻を攻撃することで自らの身を守る。自分の父親のDV行動を継承してしまう。
しかし主人公のYさんは、夫のDV体質の根っこのところには「清らかな精神」が存在している、とモラハラ夫とのつながりを維持しようとする。それは琵琶湖の底の水質が悪化していく中で、冬場の雪や低温で「深呼吸ができる」まさに、そのような深呼吸が自分の夫の心の底にもあるのではないか、と離婚をとどまろうとする。櫻木さんが、なぜ、夫婦間のモラハラ、DV問題を、琵琶湖湖底の水質改善、「深呼吸」につないだのか、今度、じっくり話をしたいです。
というのも、琵琶湖の湖底の水質改善を「びわ湖の深呼吸」と名付けたのは私です。科学的に「全層循環」と言われてもわかりにくいからです。人間の生きる感覚として名付けしました。2006年の知事選挙の時です。琵琶湖の息苦しさは、私自身の体の息苦しさに感じたからです。
そして、今、国政で離婚後の単独親権を共同親権に変えようという民法改正を求める中で、ひとり親女性団体から「DVから逃げられないから共同親権反対、嘉田はDV被害者を無視している。そんな国会議員は辞職へ!」と、大変な非難と逆風を受けています。共同親権反対派のDV問題と、琵琶湖湖底の「深呼吸」を櫻木さんがつなげている!!なんとも奇遇です。
今日、「なぜ沖島の皆さんに興味をもつのですか?」という私の質問に櫻木さんは、「大自然の仕組みをすなおに受け入れている皆さんの精神に感動しています」という。家族間のDVや虐待問題を、自然のなりたちに逆らわず暮らしをなりたたせ、人びとの暮らしのコミュニティを作り上げてきた沖島の暮らし・・・直感を理論家していきたいです。
同時に、女性が、自然が厳しく、人間関係のしがらみにとらわれた田舎に移住するという想いをたばねた湖北、長浜市の「イカハッチン」にならって、「沖島ハッチン」がうごめいている、という直感も持ちました。頼もしいです!
昼食は、奥村ひとみさん経営の「汀の精」で、沖島ランチをいただきました。温かい薪ストーブの部屋で、舟板のテーブルでの、沖島定食、フナのじょき、アユの飴炊き、ハスの塩焼き、瀬田シジミのお味噌汁、ごちそうさまでした!
先頭に戻る