「出初式」の挨拶では、消防組織の日常の活動に感謝を申し上げ、国会議員として全国の災害現場、特に水害死者が発生した現場での調査から、消防団の活躍の例を紹介させていただきました。具体的には2018年7月6日―7日の西日本豪雨時の愛媛県肱川での野村ダム直下の野村町の例です。ダムの計画規模を超える豪雨で、野村ダムから早朝に緊急放流がされ、毎秒300トンの流量が30分ほどの間に6倍の1800トン放流となり5名が亡くなってしまいました。「ダム津波」のようだったという声がありました。
しかし、ダムは水害を防ぐためと信じてきた住民の皆さんが緊急放流の意味を理解してくれず、防災放送などではなかなか避難に応じてくれなかったということ。そこで消防団員が一軒いっけん住民の皆さんを説得しまわって100名を超える人びとを消防自動車にのせて高台に運んだという。消防団員からの直接的な働きかけが功を奏したということです。ダムは降雨量以上の水量を流さないと行政側の説明もありますが、貯留していた水を一気に流すとまさに津波のような大波になります。そこをダム直下の住民の皆さんに理解してもらう必要があります。
滋賀県の男性が長寿日本一になったことも健康推進員の方から紹介がありました。また子ども安全リーダーの方からの活動紹介もありました。そこで、私の方から、通学時の子どもの交通事故数は、滋賀県は全国でも最も低いという実績があり、これは地域の皆さんの見守り活動の成果と言えること。また長寿日本一の背景には自然の豊かさからスポーツ活動なども活発で、また高齢者のボランティア参加率は滋賀県は全国有数ということも伝えました。皆さんの自治会での地道な活動が子どもから高齢者まで住みやすい地域づくりにつながっていることがデータで示されていることも紹介させていただきました。自治会での具体的な活動を柱とした話し合いは私自身も学ぶところが多く、うれしい時間でした。