Facebook 2022年10月13日 参議院防災対策特別委員会で、台風15号で大きな被害を受けた静岡市を視察。

10月13日、参議院防災対策特別委員会で9月23・24日の台風15号で大きな被害を受けた静岡市を、三浦信祐委員長、足立敏之理事など8名で視察させていただきました。静岡市内では12時間に404ミリという観測史上最大の豪雨となり、興津川(おきつがわ)という清水区の水道水源取水口に土砂と流木が詰まり、2週間近く断水してしまった現場や流出した橋や土砂流出現場をみせていただきました。断水は2週間近く続き、影響は6.5万人もが生活被害。静岡市では床上浸水3054戸、床下浸水1190戸と浸水被害が多いわりに、市内では死者はゼロでした。真夜中の豪雨では床上浸水など逃げきれず溺死者が出てしまったり、また避難途中で水路や河川に流されるという事故も多いです。視察後の意見交換会で静岡市長の田辺信宏さんに「死者が出なかったことの背景」を質問させていただきました。大変わかりやすい説明だったので紹介させていただきます。10月13日。(中くらいに長い1200文字です)。
大きく二点の理由でした。一点は、静岡市では今から48年前の1974年7月7日に「七夕豪雨」という水害があり市内中心部の巴川が氾濫し、27名もの死者がでてしまった。その対策として放水路をつくって「ながす」というハード事業に加えて、流域で水を「ためる」という今でいう流域治水を先取りしてすすめてきた。ポイントは遊水地を複数個所つくり湿地での生物の生息地をつくり、まさに「グリーンインフラづくり」も進めてきた。同時にハザードマップの活用で「七夕豪雨を忘れない!」という「自助・共助」の「そなえ」を広めてきた。「ながす」「ためる」「とどめる」「そなえる」の流域治水の4つの多重防護の仕組みを実践してきていました。
二点目は、9月23-24日の豪雨の当日は、市民自らがそれぞれに命を守るために自己判断できるようにきめ細かい情報を、防災と広報で協力をして進めてきたと。紋切型の情報ではなく、住民が判断できるように、地域毎の情報をだし、あえて避難をせずに自宅に止まるようにというような情報も地域毎に出した、ということです。防災担当の方のお話ではやはり、七夕豪雨での怖さが原点にあり、すでに50年以上前のことなのに今もしっかり伝承されていると。それから東南海地震や津波の被害についても日常的に地域での訓練もしているので、防災·減災全体に対して静岡市(県も含めて)意識が高いのではないか、ということでした。
滋賀県知事時代に防災危機管理センターを設計企画する時に静岡県のセンターを視察させていただいたことを思いおこしました。県や国など行政担当者の連絡だけでなく、マスコミや警察、自衛隊など、多様な関係者が一堂に会して情報共有ができ、方針が決められるようにという建物配置になっていました。滋賀県でもこのことを優先させていただきました。今後の特別委員会では「死者ゼロをめざす流域治水」についてより詳しい議論をさせていただきます。
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