Facebook 2022年9月9日 「風力発電」の勉強会、無事おわりました。

「風力発電」の勉強会、無事おわりました。講師の武田恵世さん、須藤明子さん、ありがとうございました。また会場参加に加えて、急遽オンライン参加も可能としたため、事務局には負担をおかけしました。途中で接続分断などもあり、ご迷惑をおかけしました。ご参加いただきました皆さん、ありがとうございました。今日はまさに「はじまり」の勉強会です。今後各地の事例をもっともっと調べていきたいと思います。9月9日。(長いです、1,400文字)
三重県の青山高原には2000年代初頭から中部電力系の民間会社や三重県津市や伊賀市が出資する第3セクターのいわば「集合型風力発電所」があり、全体で89基が建てられています。最大出力は9万5000キロワットということです。ただ本日の武田さんの講演では、風力発電による具体的な発電量や具体的な電力系統への接続状況など、かなり不問に付されていて、果たしてCO2削減に役立っているのか、伺い知ることはほぼ不可能ということです。
それ以上に、山中に風力発電施設を設置することによる土砂崩れなどの問題が地元ではかなり多いということです。8月12日に私たちも現場をみせていただきました。施設系の最大の問題は、20年の活用期間をすぎたあと、確実に問題なく撤去できるかどうかということ。一基の除去に1-3億円かかり、その撤去は基本的に地主の責任になる(余呉の場合地元所有者の山林の借地です)。特に途中で会社が倒産したり、風力施設の所有者が変わったりしたら、地元には負担だけが残るという。外資系の企業の場合、いとも簡単に逃げてしまうだろうという懸念です。
また低周波による健康被害も各地から報告されていて、日本ではこれを防ぐ法制度も支援の仕組みもない、被害者の泣き寝入りということです。余呉町の中河内は集落の1.5キロのところに計画があり、健康被害も心配ということです。
後半は、日本イヌワシ研究会の須藤明子さんが、今回の風力発電計画地はまさにイヌワシの生息地という。滋賀県には全域で4つがい、福井県全域でも5つがいしかいない。2年に1羽の死亡という予測もされている。その貴重なイヌワシの保護は、究極的には人間の暮らしを守ることにつながるということを生態系の仕組みから解説くださいました。今、高塒川最上流部で39基の風力発電建設が計画されている尾根筋にはブナの巨木の群落があり、これが今山の自然を守っている。これを大きく伐採したら土砂災害など、何が起こるか、押して知るべしという。
会場からの意見はそれぞれに切実な思いを語っていただきました。地元の余呉町から参加した若者は、8月5日の高塒川の土砂流出の源が山頂部の旧スキー場からだろうと推測されるがそのことは地元ではあまり話題になっていないという。過疎化が進む中で新しい事業収入がほしいという地元の要望は強いと。日本熊森協会の室谷悠子代表もご多忙のところ兵庫県から駆けつけてくれました。高島市や木ノ本町でこれまでトチノキ巨木保全などが成功した、その経験を活かして水源の滋賀県らしい動きをつくりだしてほしいとエールをいただきました。
近いうちに、高塒川源流の尾根筋のブナの巨木など、見にいきたいです。紅葉時期はかなり美しいでしょう。まずは現場へ!そして次の勉強会を企画しましょう。
先頭に戻る