Facebook 2022年8月9日 「滋賀県高時川氾濫被害報告」(その2)

「滋賀県高時川氾濫被害報告」(その2)「最上流部の浸水被害地域を訪問」「源流部の風力発電計画」が土砂流出のリスクを高めないか危機感を持ちました。8月7日段階での「床上浸水被害」は、余呉町上丹生で3軒、木之本町大見で2軒、「床下浸水被害」は、余呉町中河内で4軒、余呉町椿坂で1件、余呉町上丹生で10軒、余呉町下丹生で1軒でした。上丹生、下丹生、大見は丹生ダムが建設されていたら、その下流地域ですので、ダム建設による被害緩和は想定できます。しかし中河内は丹生ダム建設地よりはるか上流でダム湖に水が流れこむ地域です。ここでの床上浸水の状況を、8月8日に、小松明美さんと古谷桂信さんと訪問してきました。写真中心に報告します。8月9日。(ちょっと長いです。1200文字)
最上流部の中河内では廣峯神社の前を流れる高時川が大きく氾濫。昭和3年生まれ(94歳)の宇野房江さんは、ずっと中河内で生まれ育ったがこれほどの川の氾濫は初めてという(8月5日の氾濫状況写真、提供小林葉さん)。自治会長の佐藤登士彦さん(昭和11年生、現在85歳)も、これまでに最大の氾濫という。早朝6時過ぎに急に水位があがってきたが、幸い床上浸水はなかったという。土砂の源を求めて高時川の源流部栃ノ木峠の余呉湖スキー場まで車を走らせると、道路と河川に大変な土砂が堆積している。子林葉さんの計測によると河川内部では60センチ近くの堆積部もあるという。
高時川の土砂流出の要因は、森林の植生や管理の影響、この地域はシカはまだ少ないが、シカによる下層植生の破壊などとともに、元スキー場などからの濁流の影響もないか、と推測できますが、まだまだ証拠はありません。専門的な調査が必要と思われます。高時川沿いに昔から住んできた人びとが「最近、いつになっても泥水がひかない」といわれます。昔のデータが確実にないのですが、泥水がなぜひかないのか?さらなる調査が必要と思います。私たちなりに素人ながら、調べをすすめていきたいと思います。
一方、高時川の栃ノ木峠から尾根筋には、188メートルの巨大風車39基建設の風力発電事業が「グリーンパワーインベストメント」により計画されており、この6月には「環境影響評価準備書説明会」が事業主により住民に説明されました。そこではイヌワシやクマタカなどの鳥類や生物の生息環境破壊への懸念とあわせて、尾根筋のブナ帯やナラ帯伐採や39基もの巨大風車を建設するための道路づくり等による土砂災害への懸念が住民から出されましたが「土砂流出防止柵」などをつくり環境配慮を行うと抽象的に回答されただけでした。今回の8月5日豪雨は、敦賀など日本海側の被害も大きく、8月5日以降、北陸線の特急等も運行できていません。まさに風力発電の計画地を直撃です。
再生可能エネルギーの必要性は理解しつつも、大地の自然を破壊してはもともこもありません。風力発電事業は環境影響評価(環境アセスメント)の「配慮書」「方法書」を経て第三段階の「準備書」まですすんでいます。問題提起は急ぐ必要があると思います。皆さま、ご意見がありましたらお願いします。
丁度小松明美さんも昨日に報告をFBアップしています。地図などわかりやすいです。ご参照ください。
先頭に戻る