Facebook 2022年8月11日 「滋賀県高時川氾濫被害報告」(その4)

「滋賀県高時川氾濫被害報告」(その4)、「いつまでも続く濁水はどこから?」。浸水を受けた方や川べりに暮らす皆さんが「いつまでも濁水がひかない、昔はもっと早く水が透明になった」と口ぐちにおっしゃっておられます。そこで高時川本流と支流の採水をしてまずは濁度比較をしました。採水した水は、今後知り合いの研究者に分析をしてもらいますが、目で見るだけでその違いがわかります。可能な限り多くの支川と本川の合流部で採水をしました。また河床が埋まっている支川が多いことも発見しました。本流と支川合流部の植生などを伊賀並正信さんにドローンを飛ばしてもらって映像撮影をしました。分析結果がでるにはしばらくかかりますが、まずは大水直後のデータ確保をしました。目でみてわかるところだけ報告します。8月11日。(1400文字です)。
余呉町上丹生の笠原新吾さんのお宅は、高時川本流沿いにあり、住宅は高いところにあるが釣り道具などをいれる納屋は完全に水につかったという。笠原さんもここまでの水は経験がないという。何よりもいつまでも泥水がひかないので、好きなアユ釣りができないと嘆く。この濁水のなかでアユやイワナなど、魚たちはどう生きのびているのでしょう。大変気になります。8日に皆さんから「濁水がひかない」という意見をきいて急遽11日に、友人に呼びかけて高時川本流とそこに流れ込む支川の合流現場を訪問し、採水をしてきました。
最上流部の中河内では、8日に伺った時とくらべ11日には見た眼にはかなり透明度が回復していました。しかし、中河内から2キロ下流の半明の音波川の合流点では、かなり濁度が高い支流水がはいりこんでいます。ボトルを並べるだけで違いがわかります。車ではいけないところを歩いて採水に行きました。またこの5月に写してあった音波川と今日土砂が堆積した音波川の比較、みていただくと、河床の上昇がよくわかります。堆積土砂により生態系も大きくかわるはずです。また土砂の撤去は行政としても大変な予算がかかります。今後の復興、頭がいたいです。
高時川本流では、上は半明から菅並までの道路はかなりの破壊が進んでいます。いけるところまでいきましたが、土砂堆積にくわえて、50年ものをこえたようなスギ等の巨木も根がついたままたくさん流れついています。橋げたにかかる流木も大量です。もし穴あきダムの丹生ダムができていたら、これらの巨木は穴をふさがないのか、心配になりました。今日も「あんたがダムを中止したから被害が増えた」という声を伺いました。批判の声をまっすぐ受け止めさせていただきながら、穴あきダムを建設していた場合の経費と被害想定も必要です。データづくりもしていきたいです。
今日、小原の湧き水に到着できました。旧集落は本流の氾濫の影響を全く受けておりません。湧き水を一杯いただきながら、1995年に丹生ダム建設のため、全村離村となった皆さんは、今回の河川氾濫をどう受け止めておられるか、伺いたい思いにかられました。この4月に「湖北アーカイブ研究所」が発行した吉田一郎さんの『地図から消えた村』写真集を目の前にしながら、人びとが暮らさなくなった山、手入れが行き届いていない山、見かけは広葉樹も多く深い森林部分からも大量の土砂が流れだしていることに心が痛みました。もっともっと研究が必要です。
先頭に戻る