球磨川大水害で破壊された旅館が再生されました。人吉市の人吉旅館と球磨村の鶴之湯旅館です。7月19日には人吉旅館に宿泊させていただきました。まずご紹介させてください。7月28日
2年前の7月26日にはじめて人吉旅館を訪問した時、女将さんの堀尾里美さんは、気丈夫に7月4日の早朝、5人のお客様を自分の車で高台の避難所に避難させた一部始終を語ってくださいました。「球磨川のせせらぎ、アユや焼酎、川下りにお越しくださったお客さん、私たちは川に活かされてきた」。暴れ川といわれる言葉は好きではないと。「球磨川は悪くない。人間が自然を破壊して、好き勝手してきた。その上、さらにダムで川を虐めることはしてほしくない」とも語っていた。
昭和9年創業の純和風旅館は文化財指定もうけていたが、建物の一階部分をすべて濁流にのまれながらも、壁土が落ちた、そこから浮かびあがった壁の斜めに補強した竹のつくりにえらく感動しておられた。また午前7時36分で止まっている柱時計の元あった場所も示してくださいました。まる二年間の復興の作業・・・毎日、毎日大変な思いだったはずです。
ただ、里美さんの笑顔は以前にもまして輝いていました。おもわず出逢った壁芯をそのまま残してガラスでカバーして展示風にアレンジ。柱時計は、旅館入口の資料室に展示。そして階段には、昭和40年の水害水位と今回の水害水位を日本語だけでなく、英語とハングル語で明示。そしてお料理には、肥薩線を走っていた蒸気機関車の復興を願って、蒸気機関鍋を創作。露店風呂もお庭も以前よりも美しいほど蘇りました。アユはもちろん川辺川の清流からです。
水害被害を乗り越えてまさに創造的に復興なさっている有様がみえ、うれしかったです。このあと、人吉市にお出かけの織には、人吉旅館を訪問してみてください。もちろんほかの旅館やホテルも今、どんどんよみがえりつつあります。一番の復興支援は、私たちが足しげく訪問させていただくことと思います。