6月15日、150日間にわたった通常国会が閉会。閉会日は各種委員会の理事会があり、また本会議での採決もありあわただしい一日でした。採決の中で私がもっとも関心をもっていたのは「こども家庭庁」の設置法案と「こども基本方針」採決です。基本方針にはこどもの権利と意見表明権などを位置付けた方向で賛成をしました。しかし子ども家庭庁の設置法案には、「子育ての司令塔」といいながらその機能や組織、予算が不十分であり、今回は反対の意思表示をしました。閉会後は総理や議長などが各会派への挨拶周りにお越しくださいました。岸田総理には、子どもの幸せづくりのためには、先進国で日本だけが未だに墨守している「離婚後単独親権制度」を「共同親権」にかえてほしいとお伝えしました。夕方、急ぎ滋賀県まで帰り、彦根駅前で、参議院予定候補者の田島一成さんの応援演説をしました。6月16日。
日本の政治の中で、子どもの少子化が大社会問題であることは、私自身、自分が子育てをはじめた1970年代から感じ、折にふれて社会的発信もしてきました。女性にとっては子育てと仕事の両立がしにくいこと、男性にとっては安定した所得が少ないこと、この二大問題を克服しないと人口減少には歯止めがかからないと一貫して主張してきました。予想どおり、かつて年間250万人以上うまれていた日本の子どもは昨年は81万人へと減少。2006年の滋賀県知事選挙でも「コンクリートから人へ」として公共事業の見直しで浮かした予算を「子育て三方よし」政策にいれ子ども青少年局という横ぐし組織をつくり進めてきました。
しかし、自治体での制約が、①子ども・家族をめぐる民法のあり方と②男女の賃金水準の格差是正です。明治以来の離婚後の単独親権制度が、離婚後の女性のひとり親を増やし、賃金格差とあいまって、子どもの貧困をまねいている。今、80万人の子どものうち20万人が親の離婚に直面。そこで親が離婚をしても、子どもに十分な養育費を両親から確保でき、親子交流を継続して、精神的・社会的分断と隔離を防ぐことです。それが「離婚後の共同親権」という民法改正です。
今回の政府の方針は、子育ての司令塔といいながら、幼稚園と保育園の一元化を見送り、またこども予算の増大も岸田総理の方針は不明確です。また民法改正など、法的基盤の担当者も配置せず、諸外国の子育て政策とくらべると大変制約が大きいものです。真に子どもの未来のための法案として今後成長できるよう、今回の法案には立憲民主党などといっしょに反対の意思表示をしました。
ちなみに、今、自民党政権は防衛費の増強をさかんに言い始めていますが、防衛費の前に必要なのは、子育て関連支出の増大です。日本の子育て関連の公的支出は国内総生産(GDP)比1.65%(2018年度)。スウェーデンの3.42%(17年度)や英国の3.19%(同)の半分程度となっています。いよいよ始まる参議院選挙でも、「防衛費よりも子育て予算の拡大を!」と強く訴えてまいります。