Facebook 2022年3月14日 完成「大石龍門ふるさと絵屏風」叶匠寿庵 寿長生の郷

大津市の最南端「大石龍門」という地区に「叶匠寿庵(かのうしょうじゅあん)の寿長生(すない)の郷」という里山和菓子工房があります。大石地区は忠臣蔵でお馴染みの大石内蔵助ゆかりの地。寿長生の郷は、叶匠壽庵2代目社長の芝田清邦氏が「農工ひとつ」の思想を実現するために今から37年前の昭和60(1985)年に造営したもので総面積は6万3千坪!広大な敷地には本社、和菓子製造工場や茶室、食事処、炭焼き小屋、ボテジャコ池まであり、今の時期には1,000本を超える梅が咲き誇っています。
大石龍門地区は滋賀県でも有数の1000年以上の歴史があり、古来からの里山環境を維持しています。4年前から三代目社長の芝田冬樹さんに呼びかけ「地域と企業が共同してつくる里山ものがたり」を提案してきました。今日はそのひとつの仕上げである「大石龍門ふるさと絵屛風」が完成し、記念披露会に参加しました。3月13日。また長いです(1300文字)。
最初の写真は、完成した「ふるさと絵屛風」の前での関係者の記念写真。芝田冬樹社長、池田典子広報担当、後ろは担当の林旅生さん、上田洋平滋賀県立大学教員、そして地元の中井正敏さん、絵画担当の半田育子さん、応援団の川崎凱三さん、甲賀市職員で山内エコクラブの竜王真紀さん、元滋賀県県議会議員の井阪尚司さん。二枚目は、絵屏風を囲んでの地元の皆さんを交えた車座対談。
「ふるさと絵屛風」とは、上田洋平氏のオリジナルな「地域の暮らしものがたり」を屏風に仕立てた人生ドラマ。上田さんいわく、一人の英雄の生涯を描く「大河ドラマ」ではなく、多くの庶民の生活を描く「絵画ドラマ」で、近代工業文明が広がるちょっと前、昭和30年代の、人びとの五感に残る「百聞を一見にした絵図」による暮らしものがたりです。すでに全国で50以上の地区で「絵画ドラマ」が描かれています。
「大石龍門ふるさと絵屛風」には60以上のポイントものがたりがあります。そのうち森の利用と水に関係するところだけズームしましょう。大石川での子どもの遊びは大岩からの飛び込み、コイやウナギつかみ、一方で川での洗濯、水車での米つき、春先の川掃除、冬には周辺の山から切り出した木材の炭焼き、イノシシ捕獲、お茶つみと製茶工場、米つくりの田んぼでは肥溜めがありそこに落ちる!など、数十回に及ぶ地域の人たちの語り対話を春夏秋冬と四季折々の絵図にしています。
今後は、この絵図を子どもの歴史学習に、また高齢者の記憶回想法に、そして企業として描かれている行事をイベント化したり、お菓子の包装紙にしたり、絵図を活用していきたいと若い担当者が語ってくれました。4年間の里山ものがたりづくりを、「叶匠寿庵」の従業員さんが地元の人たちとともにつくることで、従業員だけでなく、地元の人たちも、改めて地域の誇りを持てるようになってほしいです。
私自身、講評の中で、以下のように挨拶をさせていただきました。「この絵図にはまさに地球の未来が込められています。石油文明と資本主義的経済成長で痛みつけられた地球が今、気候危機で苦しんでいます。それを乗りこえるSDGsのヒントがこの絵図に込められています。ここでの暮らしは石油一滴も使っていない。太陽の力、緑の力、流れる水の力、牛と人間の力、自然資本を活用してすべての暮らしがなりたっていた。子どもたちは元気です。これは決して過去ではなく、未来へのヒントなのです」と。
外では、絵図に描かれている江州音頭イベントが開かれ、私もいっしょに踊らせていただきました。餅まきではピンク餅をひとつゲット!!梅も満開です。梅まつりは3月13日までの予定だったということですが、少し遅れているので、3月21日まで開いているということ。出来立ての和菓子をいただきながら、梅の香りを楽しんでください。「ふるさと絵屏風」も公開されています。今週、ご家族、お知り合いをさそって、大石龍門での初春をお楽しみください。
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