橋板くんがいない!!ロープだけが浜に遺されていて、本体がない!!ロープの先は橋板の穴にしっかり結んであるので、自然にはずれるはずはない。鋭利な刃物で切ったような跡がある。どこか周囲の浜に流されていないか、と浜辺を歩き探したけれど、見当たらず!愛するペットを失ったような落胆・・・・。東京や長崎へ遠出をしていて、その間に誰かが?でもこの橋板、浜辺にないと意味がない。だれが?どうして?2月23日
琵琶湖岸の橋板は、地域毎につくり方がちがう。ここ比良浜では、比良山の持山から、ほどほどに育った50年ものくらいの杉を切り出し、板にひいて中心部を使う。それと足は、生木の又を森の中でさがして、沖側にとりつける。この又木、なかなかちょうどいい形のものがない。比良地区の皆さんの協力をいただき、2016年の10月に杉を伐り出し、又木を探して、ようやく2017年3月に県から設置許可をいただき2017年5月に、橋板のお披露目ができた。
あれから5年、雨の日も雪の日も、晴れた日も、比良の浜辺にたたずみ、私の朝の顔洗いから水汲み、そして多くのお客さまが湖水を飲む、その場を支えてくれた橋板くん・・・。夏には子どもたちのの飛び込み台に!大風がふくと、ひっくりかえって、浜辺にうちあげられる。重たい板をひとりで元にもどすのは大仕事・・・突然いなくなるなんて・・・さびしい。誰がなぜ?!今からでもいいです。戻す気持ちがあったら、戻してください!庭においておいても役立たず、ですよ。
気を取り戻して、「大津市北部橋板再生組合」の役員のNさんに相談してみた。予備の板はあるし、又木も、ちょうど先日、山にはいって探してきたものがあるから、すぐに手配をします、と言ってくださった。頼みになるのは地域の仲間です。うれしい、ありがたい!!
2017年5月に、地元の関島秀樹さんがつくってくれた「橋板のねがい」という歌、橋板の文化的意味を歌ってくれました。
♪遠い遠い昔から 近江の西に住む人は
♪湖岸に小さな板を渡して 暮らしの知恵を活かしてきた
♪豊かな浜の恵みを 大切に守ってきた
♪米を研ぎ ものを洗っても 汚れるものは流さない
♪水は大地をうるおし 湖(うみ)に注いでゆく
♪暮らしと琵琶湖をつなぐ命の板を 橋板と呼んだ・・・